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なぜかお腹が弱くて……を"あの発酵食品"が改善するかも!という実験

Stomach

 

最高の体調」では発酵食品を激推ししてるわけですが、意外とこれまでなかったのが「IBSに効くの?」って問題であります。

 

 

IBSは過敏性腸症候群の略称で、ざっくりいえばお腹に原因不明の痛みや不快感が出る症状で、いまだにハッキリした原因がわからない難しい状態のことです。おもに心理的な緊張やストレスが引き金になると言われていて、

 

 

といったデータはあるものの、なかなか決定打が出てなかったりします。偏頭痛とならんで難しい問題だと申せましょう。

 

そんな状況下、新しく「発酵食品がIBSにい効いたぞ!」ってデータ(1)が出まして、ちょっと希望のある内容になってました。わたしの知る限りでは、発酵食とIBSの関係をチェックしたクリニカルスタディは初めてのはず。

 

 

これはコペンハーゲン大学などのパイロットスタディで、IBSに悩む34人を対象にしております。ハッキリした結論を導くのは難しいんだけど、それなりの参考にはなりましょう。

 

 

実験では全体を2つのグループに分けまして、

 

  1. 低温殺菌したザワークラウトを食べる
  2. 殺菌処理をしていないザワークラウトを食べる

 

って作業を6週間ほど続けたんだそうな。当然、市販のザワークラウトは殺菌処理してるでしょうから、このグループ分けは非常にいいですねー。

 

 

というと「プラセボ群がなくて大丈夫?」と思われる方もいそうですが、この研究では「主観的な症状レベル」のほかにも腸内細菌の変化も調べてまして、そこらへんは参考になるんじゃないかと。もちろん、いまんとこIBSを判断する有効なバイオマーカーがないのも事実ですけどね。

 

 

でもって、その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 両グループともIBSの症状が大きく改善(殺菌が−38.57 ± 17.08 で、無殺菌が −56.99 ± 16.92)
  • 同様に、両グループとも腸内細菌が増加(無殺菌グループのほうが乳酸菌の増え方は大きかったらしい)

 

だったそうで、やはりザワークラウトには意味があったみたい。全体的に見れば無殺菌のほうが成績は良いものの、殺菌済みでも症状が改善してるのがおもしろいですねー。

 

 

そんなわけで、まだまだ統計力は足りないしデザインもゆるめな実験ではありますが、とりあえず初戦としては上々の結果じゃないでしょうか。とりあえず「なんだかわからないけどお腹が弱くて……」といった悩みをお持ちの方は、ザワークラウトを食べつつ続報をお待ちください。

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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