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「コーヒーの健康効果を高める方法はこれだ!」みたいな研究の話

 


コーヒーの健康効果を高める方法はこれだ!」みたいな研究(R)がおもしろかったんでメモ。このブログではかねてから「コーヒーは体にいい!」って話を展開してますんで、これまた気になるところであります。

 

 

これは20〜79歳の男女50万8747人を対象にした観察研究でして、1985年から2003年をかけて以下のポイントを調べてます。

 

  1. いつもどんなコーヒーをどのような飲み方で飲んでいるか?
  2. 1日のコーヒー摂取量はどれぐらいか?
  3. 運動習慣や健康レベルはどれぐらいか?

 

調査期間のあいだに命を落としたのは4万6341人で、そのうち1万2621人が心疾患だったとのこと。その後、すべてのデータをひっくるめたら、こんな結果になりました。

 

  • 参加者の59%がフィルターで入れたコーヒーを好み、20%が無濾過のコーヒーを好み、9%がフィルター使用と無濾過コーヒー両方を飲み、12%はコーヒーを飲んでいなかった

 

  • コーヒーを飲まないグループよりも、コーヒーを飲んだグループの方が総死亡率は15%低かった

 

  • 男性の場合、コーヒーを飲まないグループと比べて、フィルターでいれたコーヒーを飲む人ほど総死亡率が低かった(総死亡率:HR 0.85)

 

  • 女性の場合、コーヒーを飲まないグループと比べて、フィルターでいれたコーヒーを飲む人ほど総死亡率が低かった(総死亡率:HR 0.85)

 

  • 60歳以上の男性の場合、コーヒーを飲まない人に比べて、フィルターを使わずにコーヒーを飲んでいる人は心疾患による死亡率が高かった(調整済みHR:1.19)。逆に、フィルターでいれたコーヒーを飲んでいる場合は総死亡率が低かった

 

  • 60歳以上の女性の場合も、フィルターで入れたコーヒーを飲む人ほど心疾患の死亡率と総死亡率が低かった

 

  • フィルターを使ったコーヒーを1日1~4杯飲む人は、もっとも死亡率が低かった

 

これらの結果は、もちろん参加者の運動習慣、学歴、コレステロール値などは調整されてまして、それでもなお上記の傾向が確認されたらしい。

 

 

つまり、今回の結果を簡単にまとめると、

 

  • フィルターでろ過したコーヒーを1日1〜4杯の範囲で飲むと良い!

 

って感じになりますね。逆に、まったくフィルターを使わないと、健康には逆効果な可能性もあるので注意が必要なのかもっすな。

 

 

では、なんでこういった違いが出たかと言いますと、コーヒーに入ってるカーウェオールとカフェストールって成分には、総コレステロールとLDLコレステロール(いわゆる悪玉)を増やす働きがあるからです。そのおかげで、コーヒーを飲み過ぎると心疾患のリスクが高まっちゃうかもしれないわけですね。

 

 

が、ここでフィルターを使うと一気に話が変わりまして、カーウェオールとカフェストールをかなりのレベルまで取り除けるんだそうな。フィルターを使ったコーヒーと無ろ過コーヒーをくらべた場合、その違いは20〜30倍にもなるそうで、なかなか大変なことになっております。フレンチプレス派には嫌な結論っすね……。

 

 

まぁ今回の実験を見る限り、無ろ過のコーヒーを飲む人が、コーヒーを飲まない人より総死亡率が高くなるわけでもないので、いまフレンチプレス派の方もビビる必要はなさそうであります。あくまで今回の結果は、「フィルターを使ったコーヒーは、さらに健康効果がアップするかもよー」って話ですんで。

 

 

個人的にはコーヒーのカフェインレベルが苦手なので、最近はあまり飲んでなかったりするんですけど、こういう話を見るとまた常用したくなりますなぁ……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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