最強ハーブ?【ロディオラ】はどこまでストレスと不安に効くのか?を調べたナラティブレビューのお話
ロディオラに関するよいレビュー(R)が出てたので、内容を簡単にチェックしときましょう、
ロディオラは、高山病や疲労対策に昔から使われてきたアダプトゲンの一種。アダプトゲンってのはストレスの回復力を向上させる物質の総称で、ストレス対処の能力を上げてくれるものを意味します。海外ではストレス対策サプリとして有名で、
あたりが定番の商品ですね。数年前は、このブログでもよく取り上げてたんですが、最近はちょっと遠ざかってましたね。
さて、今回のナラティブレビューでは、ロディオラの効果を確かめた先行研究をいくつか評価してまして、
- メンタルへの効果(疲労が10件、不安が2件、うつが4件)
- 運動パフォーマンスへの効果(有酸素運動4件、無酸素運動2件)
といったデータの内容をチェックしてくれてます。あくまでもレビューなので、文献選びのバイアスは否定できないんですが、ロディオラ研究の現状をつかむためにはよいんじゃないでしょうか。
では、このレビューの要点をざっとまとめていきます。
- ロディオラは、疲労、ストレス、精神的パフォーマンス、不安、うつ病、有酸素および無酸素運動の様々なマーカーを改善した。ただし、いくつかの研究では、対照群を設けていない。
- いくつかの臨床研究では、ロディオラによって抗酸化マーカーおよび炎症マーカーが改善し、更年期の症状および生活の質、ならびに無月経の女性における正常な月経の回復など、心臓代謝および生殖に関する利益をもたらすことを示唆しているが、この証拠の大半は質が疑問視されている。
ということで、証拠のレベルはもうちょい欲しいなーとは思いつつも、ロディオラの疲労回復と抗ストレス効果はわりと有望な感じがしますね(アダプトゲン系ハーブのなかでは、かなり良い印象)。
また、ロディオラにこういった効果が報告されている理由も、ある程度まではわかっていて、
- ロディオラは、抗酸化および抗炎症パワーがあるが、その効果には、まだ他のメカニズムも関わっている。
- ロディオラには、神経を保護する効果(すなわち、ストレス、疲労、うつ病、および不安を緩和する効果)があり、ストレス反応のメディエーター(たとえば、ストレスホルモンの減少や、一酸化窒素を吐き出すパワーなど)を改善する効果がある。
- さらに、ロディオラは、セロトニンやドーパミン、エンドルフィンなど、気分や意欲を調整するホルモンの放出を促進する作用もある。
- ついでに、ロディオラは、BDNF(頭を良くする物質)の放出を刺激する働きも確認されている
みたいな作用も報告されてるそうな。BDNFを増やす可能性もあったのか……。
というわけで、個人的には、ロディオラはやっぱ良さそうだよな−って印象を持ちました。ただし、この印象ってのは、今回のレビューだけで感じたものではなくて、
- 2022年のメタ分析(R)では、ロディオラを飲むことにより、筋肉のダメージ、体の痛み、パワー出力など、運動パフォーマンスと回復の様々な側面を改善できると報告されている(もっとも、各研究の結果はわりとバラバラ)。
- 2021年のメタ分析(R)では、ロディオラによって酸素飽和度が改善し、急性高山病(高所から生じるめまいや吐き気など)の発生率を低減できると報告されている。
- ロディオラ製剤(ロディオラではないロディオラの他の種)を対象とした2014年のメタ分析(R)では、単独または日常の西洋医学との併用で、ヒトでの虚血性心疾患に対するプラスの影響が報告されている。
といったあたりも参照しつつの感想になります。
まー、現時点では、もうちょいデータが欲しいとこではありつつも、「サプリを試す価値はあるのでは?」って感じがしますんで、疲労、ストレス、不安などにお悩みの方は、お試しいただくのもアリじゃないでしょうか。