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今週末の小ネタ:歳を取っても脳を保つポイント、ネコと写真に写る男性はモテない、なぜ眉毛ってモテのために重要なの?


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

 

70代になってもシャープな頭を保つポイントとは?

「若いころのIQって70代の頭の良さと関係ある?」ってのを調べたデータ(R)が出ておりました。

 

 

これはWLSGと呼ばれる調査プロジェクトのデータを分析したもので、最終的には3585名の調査をまとめたとのこと。調査では、参加者が17歳前後の時にIQを計測し、さらにみんな64歳前後の時に再調査し、続けて全員が71歳前後のタイミングで、記憶や推論の能力もチェックしたんだそうな。

 

 

でもって、すべてのデータをひっくるめて何がわかったかといいますと、

 

  • 青年期の知能指は70代の認知に「β = 0.44」ぐらいの影響を与えた(だいたい中程度の影響度)

 

  • 青年期の知能指数の高さは60代での知的好奇心を高め、そのおかげで70代の認知機能もあがる

 

  • 神経症傾向が強い人は、70代の認知を下げる方向に働いた

 

だったそうです。好奇心が大きい人は頭がよく、不安がちな人は脳の働きが下がるという話はよく言われるんですが、ここでも似たような結果が出てますね。

 

 

まー、この結果を現実に活かすのは難しいですが、とりあえず歳を取っても好奇心を保ち続けると、脳がシャープに保たれそうですよーってことで。

 

 

 

ネコと写真に写る男性はモテない?

ネコと写真に写る男性はモテない!」ってデータ(R)が出ておりました。これは女子大学生708人を対象した試験でみんなに以下のような写真をみてもらい、そのうえで「この男性とデートや交際したいですか?」と尋ねたんだそうな。

 

 

すると、猫と一緒に写る男性はあきらかに評価が低くなりまして、

 

  • 猫といる男性は男らしくなく、神経質っぽく見える

 

って印象が大きかったんだそうな。猫を愛すると神経質に見えるのか……。

 

 

研究チームいわく、

 

猫の存在は、その男性が、良い遺伝子を持っているように見える可能性を減少させてしまうようだ。

 

とのこと。うーん、なぜだ……。

 

 

ただ、一方で、猫と写る男性は協調的で好奇心が大きそうにも見えるって傾向もあったようで、そう考えますと、

 

  • 長期的なつきあいをアピールするなら猫と一緒のほうがいいのかも?

 

という気もせんでもないですな。ちなみに、私のツイッターのプロフ写真は以下の通りです。

 

 

 

 

 

なぜ眉毛ってモテのために重要なんですか?

ちょっとイレギュラーですが、読者さんからご質問をいただいたので、ここで回答しておきましょう。

 

モテ界隈のユーチューブを見ていると、よく眉毛に気を使えというアドバイスが出てきます。確かに自分でも眉を整えたほうが印象が良いし、実際にモテやすくなるとは思います。

 

ただ、眉毛って目を汗やほこりから守るために進化したものですよね? それなのに、なぜここまで印象を左右するのかがわかりません。あと、おすすめの眉毛の形とかあったら教えて下さい。

 

ということで、確かに「眉毛を整えろ!」はモテの世界じゃ定番ですね。それぐらい多くの人が「眉毛が印象に与える影響」を実感しているのはなぜか?というおもしろいご質問です。

 

 

そこで、まずは「眉毛がなぜ進化したのか?」ってとこから考えてみましょう。これについては、専門家のあいだでは大きく2つの説がありまして、

 

  • 水や光から目を保護する:質問者さんが指摘している、物理的な保護機能ですね。汗や雨などの水を目から守ることにより、視力を維持する働きであります。眉毛は顔の外側に向かって生えているので、目に向かう水滴を側頭部に誘導してくれるんですよね。

 

  • 感情表現と他人の認識力を高める:もうひとつ大事なのが、眉毛が持つコミュニケーション機能です。眉毛の上げ下げが感情表現に重要なのは誰もがご存じでしょうが、ヒトの眉毛ってのは、実はかなり他人の認識力に影響をあたえているんですよ。

    有名なのは2003年の研究(R)で、ニクソン元大統領やウィノナ・ライダーといった有名人の顔を参加者に提示し、その際に、目がないか、眉毛がないかのどちらかに写真を加工したんだそうな。その結果、たいていの人は、目がない場合でも、60%の確率で顔を識別することができたのに対して、眉毛のない顔の識別率は46%だったらしい。

 

といった感じになります。こういうデータを見てると、どうやら人間ってのは、眉毛を目よりも重要な指標として使ってる可能性があるみたいなんですよね。まぁ目よりも眉毛のほうが可動性がありますから、コミュニケーションや認識の指標に使われやすいのは当然かもしれません。

 

 

では、ここをふまえたうえで「良い眉毛とは?」って話になりますが、これについては、判断が超難しいです。というのも、

 

  • 「良い眉毛」の基準が時代で変わったりする(たとえば、90年代は世界的に細眉がよしとされたが、近年は「自然なものほどよい」という考え方が主流になったため、整えすぎない眉毛が隆盛している)

 

って傾向が確認されているもんですから。良い眉毛って文化の影響を受けやすいので、「これぞすべてに通用する最高の形だ!」とは言いづらいんすよ。

 

 

ってことで、この問題については、現時点では「眉毛サロンに行きなはれ」「眉毛のアートメイクをしなはれ」としか言いようがない感じです。まぁアートメイクについては、多少の安全性の懸念があったりしますが、こういうのはプロに頼るのが一番ですからねぇ。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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