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あらゆる問題を解決する最強の技法「畏敬の念」を活かす5つのポイント


畏敬の力(The Power of Awe)」って本を読みました。タイトルどおり「畏怖の念」の感情についてまとめた本ですね。

 

 

「畏敬の感情はメリットが多いよー」って話は「最高の体調」でも強調しましたし、このブログでも過去に何度か取り上げてたりします

 

 

 

簡単に言うと、畏敬ってのは「なんだかよくわからんがすごい!」みたいな感情のこと。大自然に感動したり、アートに魅入られたり、小説にのめり込んだりといった瞬間に味わうことが多く、この感情が、ヒトの心身改善にすこぶる役立つというんですな。

 

 

で、本書を書いたのは、カリフォルニア大学で畏怖の念の調査を行っている先生方でして、最新の「畏敬研究」をまとめてくれてて勉強になりました。個人的に勉強になったポイントは、以下のようになります。

 

 

ポイント1.畏敬の念は日常でも普通に味わえる

  • 畏敬というと、従来は「大自然にアクセスする」「有名なアートにふれる」など、特別な刺激に頼らないと、引き起こせない感情だと思われていた。

 

  • しかし、実際には、畏敬の念は日常の中で十分に味わうことができる。重要なのは、裸足で草むらを歩いたとき、動物をなでたとき、食べ物を味わったときなど、 五感を刺激するようなアクティビティの量を増やすことである。

 

    • また、ある独自の考えを思い浮かべたときや、ユニークな考えを耳にしたときも、畏敬の念を引き起こしやすい。運転するとき、話すとき、歩くとき、仕事をするとき、そして他人とつながるときなど、どんな日常でも畏敬の念は味わうことができる。

 

ポイント2.畏敬の念は不安の解毒剤になる

  • 私たちの多くは、無意識のうちに、自分の死や孤独感、人生の目的に対する疑問を感じ、これを実存的な不安として感じている。この問題に対する有効な解決策は少ないが、畏敬の念を抱くことで、死に関する心配を最小限に抑えることができる。

 

  • 畏敬の念で不安がやわらぐのは、この感情が、時間を超越した体験を与えてくれるからである。畏敬の念を抱くと、私たちは自分よりも大きな何かとつながっていると感じられるので、孤独感も軽減されやすい。

 

  • さらに、畏敬の念は、私たちの自己中心的な傾向を超えて、自分の人生に意味を見出すサポートもしてくれる。畏敬の念が自分の外側に目を向けさせ、他人への貢献を意識させるからである。

 

 

ポイント3. 畏敬の念は目標の達成度を高める

  • 「目標を達成したいなら、現在に集中せよ」というアドバイスをよく聞く耳にする。これは当然の話で、過去や未来に意識が飛んでいたら、目の前の作業に取り組むことができず、目標の達成は難しくなってしまう。

 

  • 事実、対人関係のトラブル、日常のストレスといった難しい状況において、「現在への集中」は、その問題を解決しようと頑張るよりも効果的であることが多い。努力して頑張るとすぐに疲れてしまうが、「現在への集中」状態を維持できれば、逆に活力がわきやすい。

 

  • その点で、畏敬の念は、私たちの意識を現在に向けさせる力を持っている。畏敬の念は、目の前の対象へ完全にのめり込む感情であり、そこでは現在の感覚しか生まれないからである。

 

 

ポイント4.畏敬の念はメンタルにめっちゃ良い

  • 筆者が行った研究では、畏敬の念を1日3回以上体験した参加者は、心身の健康が改善した。具体的には、うつ病が35%、不安が25%減少したことが確認されている。この結果は、薬物療法と心理療法の効果に匹敵する。

 

  • これは、畏敬の念が私たちの生理機能を変化させ、神経系をリセットし、感情に影響を与えるからだと考えられる。畏敬の念に関する先行研究によれば、この感情が、体内の炎症を抑えたとも報告されている。簡単に言えば、畏敬の念には、私たちの治癒を助ける働きがある。

 

  • 畏敬の念を味わうトレーニングは、何度も行うほど大きなメリットを得られるようになる。そのため、日常的に、意識して畏敬の念を味わうようにするのが望ましい。

 

 

ポイント5. 畏敬の念は私たちを“良いやつ”にしてくれる

  • 過去の研究によれば、畏敬の念は向社会的な感情だとされる。つまり、畏敬の念を持った人は、より優しくなり、より他人に思いやりを感じることができる。

 

  • また、畏敬の念を持つ人は、私たちの心を寛容にし、自分とは異なる信念や習慣を持つ人々を受け入れることができるようにもしてくれる。

 

  • 畏敬の念は伝染しやすい感情なので、同じ感情をよく味わっている人のそばにいるだけでも、私たちは良い人間になる可能性が高まる。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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