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シュワちゃんが提唱する筋トレ法「アーノルド・スプリット」とはなんぞや?


  

こんなご質問をいただきました。

 

筋トレは1日やったら休まないといけないのはわかっています。しかし、私は意志が弱いので、毎日トレーニングをしたほうが続くタイプです。休まねばダメなのはわかったうえで、なんとか毎日筋トレをする方法はないでしょうか?

 

とのことで、実にストイックなご質問ですね。筋トレのあとは休憩が欠かせないのは確かながら、一方で「毎日やらないと習慣化しないんだよなぁ……」という声も、たまにいただいております。休みをはさむと逆に続かないってのは、よくわかる話ですもんね。

 

 

ってことで考えてみたのですが、たとえば「アーノルド・スプリット」を使ってみるのはいかがでしょうか? ターミネーターでおなじみの、あのアーノルド・シュワルツネッガー先生が、自著である『現代ボディビル百科事典』で紹介したトレーニング法のひとつであります。シュワちゃんが紹介してるってだけで、なんだか信頼がおけそうな気がしますな。

 

 

で、アーノルド・スプリットとは、胸と背中、肩と腕、脚を週2回ずつ鍛える6日間のトレーニングプログラムで、だいたいこんな感じになります。

 

  • 月曜日=胸と背中を鍛える
  • 火曜日=肩と腕を鍛える
  • 水曜日=脚を鍛える
  • 木曜日=胸と背中を鍛える
  • 金曜日=肩と腕を鍛える
  • 土曜日=脚を鍛える
  • 日曜日=オフ

 

これだとほぼ毎日トレーニングができるうえに、ちゃんと休憩も取れますんで、ある程度まで習慣化しやすいんじゃないでしょうか。

 

 

でもって、アーノルド・スプリットの主な考え方はほぼこれに尽きていて、具体的なエクササイズ、セット、レップ数などは、個人の判断にまかされております。

 

 

要するに、アーノルド・スプリットってのは、ワークアウトのスケジュール設定法(どの筋肉グループを、他のどの筋肉グループと一緒にトレーニングするか? またそれらの筋肉グループをどのくらいの頻度でトレーニングするか?)を指した言葉だとお考えください。

 

 

ちなみに、いちおう注意を書いておくと、アーノルド・スプリットってのは、わりと筋トレ中級者向けの考え方だとされております。そのため、このやり方が向いているのは、以下のような人です。

 

  • 筋トレを2年以上はやっていて、新たな方法を模索している。

 

  • 「できるだけ短期間に筋肉を増やしたい! そのためには、トレーニング量を増やさねば!」と考えている。

 

  • 現時点では大きなストレスを抱えておらず、食事はカロリーもタンパク質も十分。

 

というあたりをクリアしていれば、これぐらいの頻度でトレーニングをしても問題はないでしょう。

 

 

一方で、全くの初心者が筋肉を増やしたい場合は、週に2〜3回のトレーニングを行うプログラムの方がよいでしょう。週に6日もトレーニングをするのは、筋力と体格の基礎が固まってからでも遅くないので。

 

 

が、ここまで書いておいてなんですが、実はシュワちゃん自身は、このアーノルド・スプリットを初心者のために設計したんだそうな。確かに、1週間のトレーニング量を6回に分散させれば、1回あたりのトレーニングセッションが短くなり、スケジューリングがしやすいってメリットがありますからね。

 

 

ただし、実際に『現代ボディビル百科事典』を見てみると、ここで紹介されているトレーニング量は、あきらかに初心者ができる範囲を超えてるんですよ。

 

 

たとえば、シュワちゃんが「レベル1(初心者向け)」に設定したプログラムを見ていると、

 

  • 胸と背中のトレーニングは、1回のワークアウトで33セット!
  • 肩と腕のトレーニングは、1回のワークアウトで51セット!

 

って感じだったりするんですよ。1週間単位の話ならまだしも、1日で51セットもやってたら、ほとんどの初心者は回復できないはずであります。シュワちゃん……。

 

 

とはいえ、アーノルド・スプリットがメリットの多い考え方なのは間違いなく、以下のような方にはおすすめです。

 

  • 毎日なにかしらの筋トレをしないと習慣化しない!

 

  • なかなか筋肉がつかないから、もっとトレーニング量を増やしたい!(ある時点までは、トレーニングの量が多ければ多いほど、一般的に筋肉の成長速度が速くなる)

 

  • 主要な筋肉グループを週に2回ずつ鍛えられるので、さらに筋肉の成長ブーストが望める。

     

  • アーノルド・スプリットはスーパーセットを取り入れやすいので、さらにトレーニングの時短を狙いたい人にもよい(例えば、胸と背中の日は、胸を1セット、背中を1セット、その後に胸を1セット、というように行う)

 

ってことで、今回はアーノルド・スプリットのご紹介でした。私はいまは週2〜3回のトレーニングに落ち着いているんですが、いまよりもさらに筋肉量を増やしたくなったら、アーノルド・スプリットも試すかもしれません。そんなところでひとつ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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