人生の成功に必要なものは「知識」ではなく“アレ”だった『成功する子失敗する子』

「成功する子失敗する子」を読みました。「子どもの成功を決めるのは知識ではない！」という本ですが、ちゃんと心理学や神経科学をもとにした検証がされていて、大人にも役立つ一冊になっております。

本書では、私生活や仕事を成功に導く要素として「やり抜く力」「自制心」「好奇心」などが挙げられているんですが、そのなかで最も重要なのは、ズバリ「誠実さ」なんだそうな。

現時点では、生涯の成功においてもっとも必要な要素は「誠実さ」とみて間違いない。文字どおり、ゆりかごから墓場までを左右する要素なのだ。

ここでいう「誠実さ」とは、以前に紹介した五因子理論（科学的に正しいガチの性格テスト）でいう「誠実性」のこと。ざっくり言えば、

向上心があり、努力家。中途半端を好まず、徹底的にするタイプ
参考：簡単　5つの性格診断プラス心理テスト×自己分析　短縮版

といった感じです。いわゆるまじめなタイプで、意思力や自己コントロール能力の高さなんかも、「誠実性」の大事な要素にふくまれます。

また、本書でいう「成功」がどんな意味かと言いますと、ほぼ人生におけるすべての領域をカバーしております。具体的には「誠実性」が高いと、

年収や仕事への満足感が高い
面接試験の受けがよく転職が成功しやすい
テストの成績がよく学歴も高い
犯罪に手を染める可能性も低くなる
結婚の満足度が高く離婚率も低い
肥満になる確率も低い
長生きする可能性がグンと高くなる

などなど、人生の幸福度が高くなる統計データが盛りだくさん。ちゃんとすべてが数字で出ているもんで、ぐうの音も出ませんです。

そんなわけで非常に勉強になる一冊なんですが、欲を言えば「どうやって誠実性を育めばいいの？」の解説が手薄なのが残念。そのあたりは、「スタンフォードの自分を変える教室」「「やればできる!」の研究」「やってのける」あたりを参考に、自己コントロールを鍛える方法を補完したほうがいいかも。

また、自分の「誠実性」のレベルを知りたい方は以下のテストをどうぞ。