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オタクな人ほどナルシストの傾向が高い!という研究結果



オタクな人ほどナルシストの傾向が高い!って研究(1)がおもしろかったんでメモ。


これはジョージア大学の論文で、2,354名にオンラインで検査を行い、オタク趣味の深さやIQ、ビッグファイブなどを調べたんですね。その結果、

  • ナルシストほどオタク文化にハマりやすい
  • オタクにはうつ病傾向がある

といった傾向があったそうな。

ふくれ上がった自己イメージは、退屈な現実の世界と矛盾を起こす。この問題を解決すべく、オタクはゲームやファン同士の集会、その他のフィクションを利用する。オタク趣味は、肥大した自己を満たすための手段なのだ。(中略)

それに加えて、スタートレックのトリビアのようなオタク知識を学ぶためにアカデミックな学位はいらないし、資格や証明書も必要ない。おかげでオタクは専門家の地位を手に入れやすく、他人からの尊敬も手軽に集められるわけだ。

そのため、現実に不満が多いナルシストたちは、より簡単にほめてもらえる空想の世界にのめり込んでいく。

「オタク=現実逃避」って批判はよく見かけますが、その裏にはナルシシズムが隠されているんだ、と。しかし、そう簡単にナルシシズムは満たされないため、うつ病になっていく可能性が高いんだそうな。「オタク趣味は手軽に尊敬されるための手段!」って見方はおもしろいですねぇ。



さらに研究者いわく、

もっとも、オタクとうつ病の関係には別の原因も考えられる。オタク趣味は不快な体験から逃げるための手段として使えるため、うつ病になりやすい人たちを引きつけているのかもしれない。

とのこと。オタクとうつ病の因果関係はよくわからないわけですね。どっちの可能性もありそうですが。


また、この研究ではほかにも、

  • オタクは神経症傾向、空想傾向、統合失調的傾向の要素が強い
  • オタクは結晶性知能が低い傾向がある

といった傾向が出ているのが興味深いところ。なんか悪いことばっかのようですが、空想癖や統合失調傾向はクリエイティビティと関係がありまして、オタクは創造性が高い人種だって可能性もあるんですね。今回の研究では参加者のクリエイティビティは検査してないんで、まだ仮説の段階ですけども。


また、「結晶性知能」とは、知識や判断力のような人生経験を積むごとに増えていく知性のこと。オタクといえば知識が豊富なイメージもありますが、実際は逆の結果が出たわけですね。


研究者いわく、

オタク趣味への熱意が大きい人ほど、結晶性知能が低い傾向があった。これは、「一般人よりオタクのほうが知性的」という世間のイメージとは食い違っている。(中略)

オタクは知性的な能力には欠けているかもしれないが、そのぶん自身の趣味を表現欲のはけ口に使っているのだ。

とのこと。さらっとヒドいことを言ってますね(笑)。まぁ、この研究では簡易バージョンの知能テストが使われてるんで、まだ「オタクは知性が低い!」と決まったわけではないものの、なかなか気になるデータかと思います。


いずれにせよ、オタクにはナルシストが多いのは間違いなさそうなんで、気になる方は「隠れナルシストを見抜く10の質問」などでセルフチェックをしてみてはいかがかと思います。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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