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人生の質がとにかく下がりまくる恐怖の「ブレインフォッグ」を引き起こす原因を並べてみたぞ

Brainfog
ブレインフォッグって怖いよねぇ
ブレインフォッグに悩んでいます」ってお悩みをいくつかいただきましたんで、ざっくりとまとめておこうかと。


ブレインフォッグってのは、過去に「リーキーブレイン」の話で軽く触れたとおり、頭にいつも霧がかかったような状態になることです。寝不足で頭がボーっとするぐらいなら誰にでもありましょうが、ブレインフォッグはレベルが違っていて、

  • いつも疲れて元気がない
  • イライラしてる
  • 集中力が続かない
  • ワーキングメモリの低下
  • 決断力の低下
  • 情報の処理能力が下がる
  • なんかいつも混乱したような気分
  • まとまった思考ができない
  • 方向感覚がなくなる

みたいな症状がまとめて襲ってくるんですな。かくいう私も20代後半のころは似たような状態に悩んでまして、当時はブレインフォッグって言葉を知らなかったものの、いま思えば「あれがそうだったのか!」みたいな感じ。


ブレインフォッグはなぜ起きるのか?
で、「リーキーブレイン」にも書いたように、おおまかに言えば、ブレインフォッグの原因は「炎症」と「酸化ストレス」の2つ。これらが脳にジワジワとダメージを与えていくんですな。


とはいえ、当ブログをお読みの方ならおわかりのとおり、炎症と酸化ストレスっていろんなことが原因で起こるんで、シンプルに「これを正そう!」とは言いづらいんですよね。これは本当に難しい。


そんなわけで、ここでは特にブレインフォッグへの影響がデカいと思われる原因をいくつか並べて行きます。心当たりがある方は、以下のリストを片っ端から正して様子をみていただけると幸いです。


ブレインフォッグを引き起こす原因リスト

1.インスリン抵抗性

第一に、ブレインフォッグに悩む人に多いのがインスリン抵抗性が悪化してるケース。要は体が糖質をうまく処理できない状態のことでして、いわゆる糖尿病の予備軍ですな。


というのも、インスリン抵抗性が高い人は血糖値が乱高下するケースが多く、結果として酸化ストレスが増えちゃうことがわかってまして(1)。こいつが脳の視床下部にダメージをあたえちゃううえに、さらに一時的な低血糖がニューローンを過度に指摘して、さらにフリーラジカルを増やすのも有名な話であります(2)。


インスリン抵抗性については、あまりに血糖値が高い場合はまずお医者さんに行くべきですが、同時に「体脂肪をガッツリ減らす!」ことを心がけつつ、サプリなども併用していくといいかもしれません。とにかくブレインフォッグで一番ありがちな原因のひとつとして覚えとくといい感じ。


2.リーキーガット


こちらも当ブログでおなじみな、腸壁に穴が開いちゃうおそろしい現象。腸に穴が開いたら、体はいつも未消化の食品や毒素と戦わなきゃならないんで、当然ながら酸化ストレスも増えていく次第であります。


事実、「なんか疲れが取れないなぁ……」って方の一部は腸内細菌のバランスが悪化している傾向がありますんで(2)、「「リーキーガット」について知っておきたい知識」などを参考に対策していただければ、と。


3.甲状腺の異常

甲状腺ってのはT3のように体の代謝にかかわるホルモンを出す器官。ここに異常が起きるとどうなるかは、「甲状腺の異常がもたらす15の恐怖 」にまとめてますので、興味がある方はどうぞ。


一般的には、「朝にブレインフォッグが起きやすい人は甲状腺が悪いのかも?」と考えられるケースが多い(3)んで、くれぐれもご注意ください。


4.シンプルに感染


当然ながらなんらかの感染症が起きると全身に炎症が起こり、大量の酸化ストレスを起こします。自分では「たいしたことない」と思ってたのに、調べてみたらウイルスに感染してたなんて話はよく聞くところではあります。


これはさすがにライフスタイルの改善で立ち向かうのは無理筋なんで、ちゃんと病院で抗生物質をもらうのが吉。感染の一例をあげますと、

  • 大腸菌
  • サルモネラ
  • 赤痢菌
  • ピロリ菌
  • マイコプラズマ
  • セラチア菌
  • クラミジア
  • モラクセラ・カタラーリス

などがありましょう。「食事も改善してよく寝てるのに何で頭がぼんやりしてるんだ……」とお悩みの方は、ここらへんも疑ってみていただければ、と。


5.ヒスタミンに体が弱い

ヒスタミンはいろんな食品にふくまれる成分ですが、生まれつきこいつに体が弱い人がいるんですな。そういう人がチーズやハムみたいにヒスタミンの多いものを食べると、Th2って免疫システムが過剰に働き出して、酸化ストレスが激増しちゃうことがわかってたりします(5)。


通常、ヒスタミンは発酵食品や乳製品に多いんで、もしこれらを食べてブレインフォッグが起きたら、疑いがあるのかもしれません。具体的な対策は「ヒスタミン不耐症に立ち向かうには?」をご覧ください。


6.その他の意外な原因

これらの5つがブレインフォッグにありがちな原因ですが、ほかにも考えられる候補がいくつかありますんで、ざっと並べておきます。ちなみに、睡眠不足とかストレス過多みたいなのは当然すぎるので、以下にはふくめておりません。

  1. 重金属
  2. 運動のしすぎ
  3. 塩分のとりすぎ
  4. 鉄分のとりすぎ
  5. 銅のとりすぎ
  6. 食物アレルギー
  7. 酸素不足(低血圧とかで)
  8. 紫外線の浴びすぎ


まとめ
そんなわけで、ブレインフォッグにありがちな原因などをまとめてみました。くり返しになりますが、「これ!」といった原因の特定が難しい問題なので、とりあえず改善できるとこはすべて試して様子をみるのがよろしいかと思います。


ちなみに私の経験では、ブレインフォッグにかかったときって、「今日もやる気が出ないなぁ……。俺はダメだなぁ……」とか思っちゃうケースが多いので、対処しないままズルズル行っちゃうケースが多め。これは完全に人生のムダなんで、地道に対処してくのが吉であります。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。