最近の若者はコミュ力がない!モラルがない!はどこまで本当か?みたいな話
https://yuchrszk.blogspot.com/2020/05/blog-post_5.html
こないだ「最近の若い者は問題」みたいな話を取り上げまして。要するに、「最近の若い者はなっとらん!」という物言いをする高齢者は、たんに自分は偉いって幻想にとりつかれてるだけなのだって話でして、私も老害化しないように気をつけねば‥‥とか思うわけです。
で、また直近でも「最近の若い者は問題」について調べてくれたデータがいくつか出てましたんで、軽くまとめておきます。
最近の若者はコミュ力がない!は本当か?
まず最初の研究(R)はブリガムヤング大学などの調査で、- 最近の若者はコミュニケーション能力がない!
といった批判が本当なのかをチェックしてくれております。最近の子はまともに会話ができない!的な物言いが本当なのかどうかを確かめてくれたわけですね。
研究チームは、Facebookがまだ存在しない1998年に幼稚園に入園した子どもたちと、初代iPadが登場した2010年に入園した子どもたちのデータを収集(19,150人 vs 13,400人)。「すべての子供たちが教師や保護者からどんな評価をされていたか?」ってポイントを比べたんだそうな。すごく雑にまとめれば、アナログ世代とデジタル世代でコミュニケーション能力が変わるのかを調べたわけです。
そこでどんな傾向が浮かび上がったかと言いますと、
- 対人スキルの評価は、どちらのグループも変わらなかった
- さらにどちらのグループも、友人を作る能力、人間関係を維持する能力、自分とは異なる人々と仲良くする能力、セルフコントロール能力なども特に違いが見られなかった
だったそうで、どうやら最近の若者だろうが、コミュニケーション能力については旧世代と違いがなかったそうな。
研究チームいわく、
我々が比較を行ったすべての要素において、社会的スキルには違いがなかったか、または後に生まれた世代の子供たちのほうが評価が高かった。(若い世代はPCやスマホの使用量が多いが)スクリーンへの接触時間が社会的スキルの成長に問題を起こすという証拠はない。
だったそうで、子どもたちの対人スキルやセルフコントロールに対する教師の評価は、1998年のグループよりも2010年のグループの方がわずかに高い傾向があったらしい。
どのような世代でも、若い世代に不安を持ちやすい傾向がある。しかし、これはいつの世にもある話で、かつては電話、自動車、ラジオが現れた時にも、当時の大人たちの間で同じような議論が起きた。
とのことで、若者がディスられるのは世の常なのだ、と。個人的にも「いまの若い人ってコミュ力があるよなー」とか思う場面が多いので、感覚的にも共感したことでありました(私がコミュ障気味だからかもしれませんが)。
最近の若者はモラルがない!は本当か?
さて、もうひとつはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)がやってた調査(R)で、1991年から隔年で「最近の若者ってどうなのよ?」ってのを調べた内容になっております。これを使うと、昔の10代と現代の10代を比較できるわけっすね。こないだ取り上げたデータでは、「人間は過去を美化しちゃう傾向があり、そのせいで現代の若者がダメに見えてるんだ!」って結論になってましたが、実際はどんなものなのか、と。果たして、旧世代の人間は若者をディスれるほど本当に偉かったのか、と。
では、以下にざっくりした傾向のまとめです。
- 何らかのバース・コントロールを行なってる人の割合=20年前の若者が21%なのに対し、現代は60%
- アルコールを飲む人の割合=20年前の若者が81%なのに対し、現代は66%
- 何らかの暴力行為をしたことがある人の割合=20年前の若者が42%なのに対し、現代は24%
- 自殺を考えたことがある人の割合=20年前の若者が29%なのに対し、現代は17%
というわけで、最近の若者の方が性的にもマジメだし、依存性がある物質にものめり込まないし、暴力行為も減ってるし、メンタルも健全だしで、どうにもいいことばっかじゃないのか?って感じっすね。
まぁこれはアメリカのデータなんで日本で同じ傾向があるかは謎ですが、世界的にバースコントロールの意識が高まってるのは確かだし、各先進国で暴力犯罪が低下しているのは「暴力の人類史」でも明らかな話ですからねぇ。世界的に若者のモラルが上がってるのかも?って気はしております。