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新型コロナ対策に世界の政府や保健機関は「どんな食事」をオススメしているの?みたいな話

 

ちょっと前に、「新型コロナに負けないためにはどんな栄養が必要なの?」って話を紹介しました。これは過去のデータをもとに「新型コロナに打ち勝つために必要な栄養」をピックアップたレビューだったんですが、また新たに出たレポート(R)は、

 

  • 世界中の政府や保健機関は新型コロナ対策に何をおすすめしてるの?

 

ってのをまとめてくれてて有用でした。具体的には、CDC、ユニセフ、WHOなどの機関や、アメリカ、ブラジル、カナダ、スペインなどの政府が出してるガイドラインを抜き出してくれてます。ありがたいっすねぇ。

 

というわけで、このレビューのポイントをまとめると、こんな感じ。

 

  • 全体の70%近くは、果物、野菜、全粒粉を食べるように推奨。イタリアとスペインは、1日に少なくとも5食分の果物と野菜を摂取するように提案している。

 

  • 新型コロナに役立ちそうな栄養素は、ビタミンA、C、D、E、B6、B12、亜鉛など。いずれも免疫システムの働きに役立つし、炎症反応もコントロールしてくれるんで、ぜひ積極的にとっておきたい

 

  • 以上の栄養素は、肉類、魚類、レンズ豆、豆類、乳製品、ナッツ類、種子、卵、柑橘類(オレンジ、レモン、グレープフルーツなど)、キウイ、イチゴ、ブロッコリー、カリフラワー、カボチャ、ホウレンソウ、サツマイモ、ニンジンなどの野菜を含む毎日の食事で十分に摂取できる

 

  • ただしビタミンDは紫外線から作り出すのがメインなので、冬場に適切なレベルを維持するにはサプリも必要かも

 

  • 全体の3分の1は、砂糖、塩、脂肪の摂取をなるべく減らすように指示し、オリーブオイルと魚のような健康な脂肪を増やし、ハーブとスパイスで塩分を減らすことを推奨している

 

  • 魚介類、藻類油、海産魚、亜麻仁に含まれるオメガ3は、自然免疫系と適応免疫系の両方の細胞を活性化させる。サバ、サケ、イワシ、ニシンなどの脂肪分が多い魚を週に2回以上(各90g)摂取すれば必要量を満たすことが可能

 

  • 3つの文献で、十分な水分補給が推奨されているが、1日あたりの必要な水分量の情報はない

 

  • ブラジル、チリ、オーストラリア、カナダなどでは、がん、肥満、高血圧、糖尿病を防ぐために加工食品の摂取制限を推奨している。ただし、一部の機関は、生鮮食品が入手できない場合の代替品として、健康的な乾燥食品、冷凍食品、缶詰食品の使用を提案している。ただし、健康的な加工食品のガイダンスは提示されていない

 

  • ひとつの機関がプロバイオティクスを推奨していたが、具体的な量や菌株の例は提示されていなかった。乳酸菌およびビフィズス菌の研究では、免疫機能の改善に関して有望な結果が示されているのは間違いないが、まだ未知な点が多い

 

  • 国連食糧農業機関は、アルコールの制限を推奨。過度のアルコール摂取は、ウイルス感染に対する免疫の低下、ウイルス性肺炎のかかりやすさと相関している

 

  • すべての文献で、新型コロナを予防できるサプリメントは現在のところないと報告されている。

 

  • ブラジル臨床栄養学会は、ウイルス感染症のリスクがある人にはビタミンCが役立つ可能性もあるかも?と言っているが、10,708人の参加者を対象とした系統的レビューでは、1日1gを超えるビタミンCをとっても、風邪の発症率が減らないことが示されている

 

  • ビタミンDが役立つエビデンスは決定的ではないが、体内のビタミンDレベルが新型コロナの重症度と関連しているのは間違いない。体内のレベルが足りない場合はサプリで補給すべし

 

  • 亜鉛については、高齢者は欠乏しがちなのでサプリが必要になるかもしれない(エレメンタルジンクを1日30mg)

 

  • まぁ全体的にはサプリより食品から栄養をとるべきだし、いまはビタミンD(n=21)、ビタミンC(n=15)、亜鉛(n=15)、セレン(n=1)などのサプリの効果を調べるテストが進行中なので、その結果を待ってて!

 

ということで、いろいろ書いてきましたけど、「いまんとこよくわからんから普通に健康的な食事を続けるしかないよね!」のひとことでまとめちゃってもいいような気がしてきました(笑)。どうぞご自愛ください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。