今週半ばの小ネタ:軽いエクササイズで食欲が減る、成功するサイコパス、グラスの形でソフトドリンクを飲む量が変わる
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
軽いエクササイズは逆に食欲を減らしてくれるかも?
「運動って本当に食欲が増えるの?」を確かめた研究(R)が出ておりました。一般的には運動すると「腹が減ったぞ!」と感じるのが普通だと思われているけれど、これはどこまで事実なのか?って問題ですね。
これはドレクセル大学などの調査で、 過体重および肥満に悩む男女130人を集め、「適度なカロリー制限をしつつ運動をしてくださいねー」と指示。運動の後でどれだけ食欲がブーストしたかをチェックしたら、結果は以下のような感じでした。
- なにも運動をしなかった場合、過食をしちゃう確率が12%アップした
- 60分の運動をすると、過食のリスクは5%減少した
- 運動時間が10分増えるごとに、過食のリスクは1%減少した
- 早歩きぐらいの軽い運動は、中程度の激しい運動よりも過食を防ぐ効果が高かった
ということで、運動で食欲が増すどころか、軽いエクササイズで食べ過ぎが防げる!って結果だったみたい。研究者いわく、
ほとんどの減量プログラムでは、健康上のメリットとエネルギーを消費の観点から運動を推奨している。しかし、今回の結果によれば、「食欲コントロール」も運動のメリットに加えるべきかもしれない。
とのこと。まぁ先行研究などを見ますと、一方では「運動で食欲が増える!」と報告しているものも多いので、そこはご注意ください。あくまでも太りぎみの人がカロリー制限と組み合わせたら食欲が減ったよーって話ですんで。
成功するサイコパスはどんな人たちなのか?問題
社会には「成功したサイコパス」が一定数いるのは有名な話。なんせサイコパスは他人の感情にまどわされないので、容赦ない決断ができるんですよ。
そこで新しい研究(R)では、「成功したサイコパスはどんな人たちなの?」ってあたりを調べてくれてておもしろいです。
これはバージニア・コモンウェルス大学などの調査で、思春期に犯罪を犯したアメリカの青年1,354人を7年追いかけた観察データを使っていて、
- みんなのサイコパス度を調べる
- 調査の間に再犯を犯した者を「失敗したサイコパス」に分類し、再犯をせず社会でうまくやった者を「成功したサイコパス」に分類
- 7年の調査期間の間に、参加者にどんな違いが出たのかを調べる
みたいな感じになっております。調査の間は半年おきに性格テストを行なって、サイコパス度や性格特性がどう変わったかをみたんだそうな。
で、以下に結果です。
- 「成功したサイコパス」は、7年の間に「誠実性」のスコア(衝動のコントロールと攻撃性の抑制)が急上昇していた
誠実性といえば「仕事での成功を左右する基本的な要素」と言われてますが、サイコパスが成功するためにも欠かせないんだ、と。まぁそもそも「誠実性」は衝動をコントロールする能力のことなので、サイコパスが身につければ割と無敵状態かもしれませんね。
グラスの形でソフトドリンクを飲む量が変わる!
「グラスの形でソフトドリンクを飲む量が変わる!」ってデータ(R)が出ておりました。これはケンブリッジ大学などの調査で、
- 198人の参加者に「シャンパングラス」または「マティーニグラス」のどちらかで4種類のフルーツジュースを自由に飲んでもらう(グラスはどちらも165ml)
- グラスの違いで飲む量がどれぐらい変わるのかを調べる
みたいになってます。シャンパングラスみたいにまっすぐな容器と、マティーニグラスみたいに傾斜がついた容器を使ったらどんな違いが出るのかを調べたわけです。
その結果がどんな感じだったかと言いますと、
- シャンパングラスの方が、マティーニグラスよりもジュースを飲む量が少なくなった
- シャンパングラスの方が、一口あたりのジュースを飲む量も少なかった
だったらしい。なんでも、シャンパングラスを使うときはより口をすぼめるので、そのぶんだけドリンクの消費スピードが遅くなり、最終的な消費量も減っていく傾向があるんだそうな。要するに、ジュースや酒を必要以上に飲みたくない場合は、飲み口が狭いグラスを使えばいいかもしれないんだってことですね。
研究者いわく、
健康を害する飲み物の消費を減らすためには、傾斜がないグラスを採用してみるのも有効かもしれない。
ってことで、ついついジュースを飲み過ぎてしまうような方は、お試しいただくといいかもしれません。