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今週末の小ネタ:脳震とうの疲れにマインドフルネス、運動中のペットボトルの持ち方、ピルは筋トレのジャマになるか?

Summary

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

    

 

 

脳震とうの疲れと鬱をマインドフルネスが改善する!というメタ分析

慢性的な脳震とうにマインドフルネスが効く!」というメタ分析が出ておりました(R)。慢性的な脳震とうはスポーツなどで何度か頭を打つことで起きる症状で、ずーっと頭痛やめまい、うつ病、感情障害などが起きてしまうやっかいな問題です。いったんこうなっちゃうと、なかなか対策が難しいんですよね……。

 

 

ってことで、チームは「瞑想やヨガと脳震とう」に関する先行研究から22件を集め、合計539人分のデータをまとめてくれております。で、いきなり結論から言ってしまうと、

 

  • ほぼすべての測定結果において、ヨガ、瞑想、マインドフルネスの介入により一貫した症状の改善が見られた
  • 特にうつ病と疲労の有意な減少が大き買った

 

だったそうな。小規模な研究ばっかなんでそこまで断言はしづらいんですけど、これを見る限り疲労感にかなりの効果が出てまして、お悩みの方は試す価値が十分あるでしょうね。

 

 

チームいわく、

 

リハビリテーションによって、私たちは脳内の特定の経路を強化することができる。呼吸法、瞑想、ヨガのポーズによりマインドフルな状態を支援できれば、脳のリハビリになるかもしれない。

 

初心者は、瞑想アプリやオンライン瞑想グループで基本を学ぶことから始めて、1 日10分の瞑想時間を設定するのがおすすめだ。じっとしているのが苦手な人はヨガを使うのもいいだろう。

 

また、一日の終わりに疲れきってしまうような人は、深い呼吸法や簡単なボディスキャンを試した方がいいかもしれない。奇跡的な治療効果が得られるとは言わないが、これらのツールを日常生活に取り入れることで、時間の経過とともに変化が見られるはずだ。

 

とのことで、脳震とうにお悩みの方はもちろん、「なんか疲れが取れない……」みたいな人も、まずは10分の瞑想からお試しいただくといいんじゃないでしょうか。

 

 

 

ランニングに使うペットボトルはどこにつけるのがベストなのか?問題

ランニング中に水分補給用のペットボトルを身につける人は多いでしょうが、その際に「果たしてペットボトルはどこに着けるのがいいの?」って問題を調べたデータ(R)が出ておりました。ペットボトルをウエストにつけるのか、それともバックパックに入れるのがいいのか?って話ですね。

 

 

まず調査の内容を紹介しておくと、

 

  1. 18~30歳の男性ランナー12名を集める

  2. 手持ち、ウエストベルト、バックパックの3条件でペットボトルを保持したままトレッドミルで走ってもらう
  3. そのペットボトルの持ち方がランニングのパフォーマンスにはベストなのかを調べる

 

みたいになってて、3パターンの持ち方でランニング中のエネルギーコストがどう変わるかをチェックしわけっすな。その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • どんなふうにペットボトルを持とうが目立った差はなし!

 

だったそうで、ほぼ個人の好みで決めちゃえばいいらしい。イメージ的には手持ちだとランニングの邪魔になりそうですけど、そういうわけでもないんですねぇ。

 

 

 

経口避妊薬は女性の筋トレのジャマになるのか?問題

経口避妊薬は女性の筋肉や筋力の発達をジャマするのか?ってポイントを調べたデータ(R)が出ておりました。ピルを使うと当然ホルモンバランスが変わるんで、筋肉の発達に悪影響なんじゃないか?と考えられるわけっすね。

 

 

どんな実験なのかと言いますと、

 

  1. 筋トレ経験がない38人の女性が対象。そのうち20人に第2世代の経口避妊薬(30μgのエチニルエストロゲンと0.15mgのレボノルゲストレル、または35μgのエチニルエストロゲンと0.25mgのノルゲスチメイト)を使ってもらう。残り18人は何も使用しない

  2. 全員に10週間のトレーニングを指示。週3のペースで筋トレをしてもらい、最後に筋肉量や筋力をチェックする

 

みたいになってます。すると、

 

  • 筋力向上と筋肥大はグループ間で有意差はなかった。しかし、経口避妊薬を使用した参加者は、筋肉の増加に関わるのいくつかのマーカーが大きい傾向があった

 

って感じだったそうで、これを見る限りでは、ピルを飲んでも特に筋肉の改善に影響はなさそう!って印象ですね。ピルをご利用の女性トレーニーの方は、とりあえず心配しなくても良さそうですよってことで。

 

 

 

 

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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