メンタルをへこませないために役立つ8つのポジティブ心理学系スキルとは?
ポジティブ心理学の古典的なテクニックってのがありますわな。たとえば、
- 感謝の日記をつける
- ポジティブな出来事を3つ思い出す
- 他人に親切にする
みたいなのが代表的で、このブログでもわりとおなじみでしょう。これらのテクニックがどこまで効くか?って問題についてはまだ賛否が分かれてるとこではありますが、ノースイースタン大学などの調査(R)だと、
- とにかく片っ端から組み合わせて使ったら良い結果が出たぞ!
って話になってておもしろかったです。どんな実験だったかと言いますと、
- 認知症患者の介護をしている人たち170人に協力を頼む
- そのうち半分には、ポジティブ心理学の定番スキルを8つ教える
- 6週間ほどスキルを使ってもらい、6週間の様子をチェックする
みたいになってます。認知症の介護という超ストレスフルなことをしている人に、ポジティブ心理学のメソッドが有効かどうかを調べたわけっすね。
ここで採用された8つのスキルってのは、以下のようになってます。
- 毎日、小さな親切を最低でもひとつは実践し、そのおかげでポジティブな感情を高まったかどうかを認識する
- 簡単ですぐに達成できそうな目標を毎日設定し、その進捗状況をメモする
- ポジティブな出来事を日記に書いたり、誰かと話し合ったりして、前向きな感情を味わう
- 毎日、少なくともひとつはポジティブな出来事を見つけてメモする
- 個人的な「強み」をチェックして、それを最近どのように使ったかをリストアップする
- マインドフルネスを使って、毎日の経験に注意を払う
- 毎日のストレス要因を特定し、それをポジティブな出来事としてとらえなおす
- 感謝の日記をつける
まさにいずれも「ド定番」の名にふさわしいテクニックばかりでして、すべてやり続けたら確かにメンタルには良さそうっすね(個人的に毎日やってるのは「すぐに達成できそうな目標」と「マインドフルネス」ぐらいですが)。
その結果について研究チームいわく、
ポジティブ心理学のスキルを学んだ者は、何もしなかったグループよりもうつ病のリスクが少なく、身体的な健康と幸福感、ポジティブな感情をより多く報告した。
とのこと。なんでもポジティブ心理学のメソッドを学んだ人たちは、うつ病のスコアが7%減り、不安感情が9%の低下したんだそうな。
7%とか9%って数字だけ見るとたいしたことがなさそうですけど、これは中程度の抑うつ状態が「正常」の範囲まで改善するレベルでして、現実の世界でも十分に意味がある効果量なんですよ。すばらしいですねぇ。
また、研究では参加者のコメントも引用されてて、なかなか良い感じです。
この研究に参加したことは、自分の人生を見つめる役に立った。これまではいつも目の前に「認知症」と書かれたネオン看板があったけど、「姉さんとの食事は楽しくなりそうだ」といったちょっとしたことに目が向くようになったんだ。ほかにも、青々とした木々とか、風の感触とかそんなことをね。
いまも認知症は僕の人生に存在してるけど、ネオンサインが外れて文字のサイズは小さくなったよ。
この研究に参加して学んだ技術は、私と夫の人生に静けさと落ち着きをもたらしました。私の態度が変わったことで、私たちはふたりとも恩恵を受けているんです。
「人生を地獄にするのは自分」みたいなことをお釈迦さんも言ってますが、ある程度までの現実をポジティブ心理学のメソッドで正すのはやっぱ良さげっすねー(あんま環境がひどすぎる場合は別ですけど)。