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不安とプレッシャーで逆に人生がはかどる!ストレスが持つ4つのすごいメリット



「ストレス良くない!」という話は常識で、私も「最高の体調」「超ストレス解消法」などの本を出しているわけです。

 

 

が、一方では「ストレスを悪く言い過ぎるのも良くないよー」って考え方があるのもご存じでしょう。「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」では、

 

  • ストレスには良い側面もあるから、ここを認識しておくと、ストレスは逆に人生を高める役に立つよー

 

みたいな話をしてますからね。このブログでいうと、「『ストレスはいいものだ!』と考えるだけで仕事の生産性は大きく上がる!かも」あたりで、それに該当する話をしております。

 

 

まー、それもそのはずで、ストレスってのは、私たちの祖先が狩猟採集生活をしていた時代に備わったシステムでして、彼ら彼女らが生き残るのに欠かせない人体の仕組みだったんですよね。ストレスがあるおかげでヒトの祖先は狩りに精を出せたし、子供を育てるモチベーションも維持できたわけです。これは現代社会でも同じで、ストレスがないと、私たちは失敗を回避したり、厳しい締め切りに間に合わせたりといったことができなくなっちゃうんですよ。

 

 

事実、近年の研究では、「ストレスのメリットを知り、それをうまく活用するのが重要」という報告が増えてきました。いたずらにストレスを悪玉あつかいするのではなく、ストレスをうまく活用したほうがいいよねーって考え方です。ストレスがない人生なんてありえないので、それなら有効に使ったほうがいいですからね。

 

 

でもって、ストレスを有効に使うには、なにはともあれ「ストレスのメリット」を知るのが一番。そこで今回は、ストレスがもたらす代表的な利点をいくつか見ていきましょうー。

 

 

 

ストレスの良いところ1. 自己認識を深めてくれる

ストレスは、私たちが考える自分の弱点や知識不足に反応して働きはじめる傾向があります。逆に言えば、ストレスってのは、自分が最も改善を必要としている能力やスキルの方向性を示すサインになってくれているわけです。

 

つまり、ストレスとは、あなたに改善ポイントを知らせてくれるアラームのようなもの。次にストレスを感じた時は、「このストレスは自分について何を教えてくれているのだろう?」と自問してみると、このメリットを有効に使えるでしょう。

 

 

ストレスの良いところ2. やる気が出る

予測が不可能な事態に出くわすと、私たち脳はストレスを感じ、アドレナリンを吐き出させます。これはあなたに不快感をあたえますが、一方で、アドレナリンは大きなエネルギーを生み出してくれるため、モチベーションががっつりと高まったりします。次にストレスを感じた時は、「このエネルギーを有効活用できないか?」と自問してみると、このメリットを有効に使えるでしょう。

 

まー、私も締め切りがなかったら本なんて書けないですし、これは多くの人が嫌々ながらも認めているメリットでしょうね。

 

 

ストレスの良いところ3. 知性が高まる

多くの実験により、適度なストレスは認知力を高め、私たちの知能のを向上させると報告しております(R)。ストレスによって放出された化学物質のおかげで、いま必要なことに集中する能力を即座に高めてくれるし、ストレスによるプレッシャーや緊張が脳のパフォーマンスを高めるし、脳のニューロン間の結合を強化し、記憶力や注意力を向上させる可能性もあったりするんですな(R)。

 

その他にも、適度なストレスは、細かい記憶を呼び起こす能力を高めることもわかっており、知識や問題解決能力が求められる仕事のパフォーマンスアップに役立ってくれます。次にストレスを感じた時は、「このストレスで知性が高まっているはずだ!」という事実を思い出してみるとよいでしょう。また、職場でストレスが多い日に、自分のパフォーマンスを自己評価してみるのもアリですね。

 

 

ストレスの良いところ4. 幸福度が高まる

複数のデータ(R)で、私たちは最適なレベルのストレスを感じたときに、大きな幸福を味わえることがわかっています。というのも、ほとんどの人は、自分にとって難し仕事や状況に挑み、知識や技術、才能が向上したときに、もっとも大きな喜びを抱くものなんですよ。

 

これに対して、何のストレスも感じられない楽なことばかりしている人は、脳内に化学物質がうまく増えず、やがては抑うつや不安が増加してしまう傾向があります。つまり、ある程度のストレスは、自分が成長しているサインでもあるわけです(これは「科学的な適職」にも書いたことですが)。次にストレスを感じた時は、「このストレスは自分が改善している証拠だ!」と自分に言い聞かせてみるといいでしょう。

 

 

以上、ストレスのメリットをいくつかご紹介しました。もちろん重度のストレスは避けるにこしたことはありませんが、だからといって全てのストレスから逃げ出すのも得策ではありません。ぜひストレスのメリットを見極めたうえで、有効活用する方向でも考えてみてください。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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