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仕事のパフォーマンスが高くで人生が幸福な人って、どんな性格の持ち主なの?


性格が人生に影響を与えるのは当たり前の話。どんな性格を持っているかによって行動が変わり、それによって人生のルートも変わっていくわけであります。

 

 

で、近ごろ「性格が人生に与える影響」について、大規模な研究が2件行われてましたんで、内容を軽くチェックしときましょうー。

 

 

 

性格と仕事のパフォーマンスには関係があるか?

最初は性格と仕事(または勉強)のパフォーマンスについて調べた研究(R)で、2,000以上の研究と、55万人以上の参加者を含む54のメタアナリシスを統合した、超決定版みたいな内容になってます。

 

 

研究チームいわく、

 

ビッグファイブがどれぐらい一般的なパフォーマンスを予測するかという基本的な疑問は、まだ体系的に検証されていない。

 

とのこと。このブログではおなじみのビッグファイブで分類した性格の特性が、仕事や勉強のパフォーマンスとどう関わるかをチェックしてみたわけです。

 

 

分析にあたり、チームは合計で2028件の研究、554,778人の参加者を含む54件のメタアナリシスをピックアップ。仕事や勉強の生産性と達成度を、テストの成績やら上司からのフィードバックなどにもとづいてチェックしたんだそうな。パフォーマンスの種類は、仕事、学業、その他(交渉術とかコンピュータープログラミングとか)に分類しております。

 


では、分析の結果を見てみましょうー。

 

  • 性格の違いとパフォーマンスの違いには相関があった(かなり相関は小さいけど)。

 

  • 誠実性(マジメにコツコツやるのが好きな特性)は、他の性格(外向性、強調性、開放性、神経症傾向)よりも、少なくとも46%大きい全体的な効果が確認された。

 

  • 「協調性」と「開放性」は仕事と勉強の両方にプラスの効果をもたらし、「誠実性」は「学業成績」により強い効果をもたらすっぽい。

 

  • 外向性と神経症傾向は、勉強よりも仕事のパフォーマンスとより強い相関がある。

 

ということで、やはり誠実性がもっともパフォーマンスへの影響が大きく、それ以外はかなり効果が小さめ。また、勉強と仕事によって、性格がもたらす影響が異なるって結論ですね。

 

 

研究チームいわく、

 

誠実性の高さは、自制心、意志力、計画性といった重要な特性を導く傾向がある。性格特性の効果は統計的に小さなものだが、実質的に重要な結果をもたらすかもしれない。

 

とのこと。まぁデータを見ると、誠実性の数字もかなり低めではあるので、個人的には「やっぱり仕事のパフォーマンスを上げるには、性格以外の要素が大きいんだろうなぁ」って印象を持ちましたが。

 

 

 

性格と人生の幸福には関係があるか?

もうひとつは「性格と幸福」の関係を調べた研究(R)で、まずは大きな結論から言っておくと、

 

  • 感情の安定性こそが、人生やキャリアの満足度を高める最強の予測因子である!

 

みたいになります。こちらもビッグファイブを使った調査で、それぞれの性格特性と人生の満足度について調べたところ、「感情が安定している人がもっとも幸福なのでは?」みたいな結論が得られたんだそうな。すぐに怒ったり泣いたりせずに、情緒が安定している人が幸せなんだってことですな。

 

 

こちらは16歳から95歳までのオランダ人9,110人から得たデータを分析したもので、11年間にわたって、みんなのビッグファイブと、社会関係、キャリア、人生に対する満足度の変化を調べ続けたんだそうな。その結果をざっくりまとめると、

 

  • 年齢に関係なく、本人の性格は、人生における総合的な満足度に強く影響し続ける。

 

  • 人生の幸福度を最も強く予測したのは「情緒の安定性」で、この特性を持つ人は、自分の世界をネガティブに捉えないようにするのがうまい。

 

  • 誠実性の高さは仕事の満足度とより密接な関係があった。

 

  • 外向性と協調性は、社会的な満足度に大きな影響を与える。 

 

  • 年齢を重ねるごとに開放的になっていく人(つまり、歳を取るほど好奇心が増す人)は、人生の満足度が相当に上がりやすい。

 

  • 感情の安定性と仕事の満足度の関係は、年齢が上がるにつれて強まった。これは、歳を取った人の方が、やりがいのない仕事を辞め、よりやりがいのある仕事をしようとするためではないかと思われる。 

 

ということで、人生の幸福においては感情の安定が最重要で、歳を取ってからは好奇心の重要性が増すのではないかという話ですね。

 

 

研究チームいわく、

 

今回の調査から、「感情の安定性」が、人生やキャリアに対する満足度を最も強く予測することが分かった。ストレスへの対処、感情の調整、困難や変化に直面したときの柔軟性のことだ。

 

また、好奇心がある人は、想像力と創造力が豊かな傾向があり、日常で起きる良い可能性を見つけて歓迎する。

 

好奇心を旺盛にしてみたり、外向的になったり、規律正しくなったりすることで、私たちは幸福感を増すことができるかもしれない。

 

とのこと。いずれにせよ、ビッグファイブの性格特性は、生涯を通じて人生の満足度と強い関連性を持っているようなんで、感情の安定と好奇心は心がけておきたいですねー。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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