今週半ばの小ネタ:タウリンで若返る説、恋愛相手の好みは13年で変わる? アルコールにもメリットはあるんだぞ!
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
タウリンで若返る説
「タウリンってわりとすごそうだよなー」って話は昔からあって、個人的にも大事な成分だよなぁと思っております。
で、新しい研究(R)もタウリンに関するもので、まずは結論から言うと、
- タウリンで肉体が若返るかも!
みたいになります。タウリンってのは、年をとるごとに体内の生産量が減る傾向があるので、そこをサプリで補って上げると、肉体の機能が一気に若返るんじゃないかってことですね。
実験では、まずはマウス、アカゲザル、ヒトの年齢別に、血液中のタウリン濃度をチェックするところからスタート。その結果、1歳を少し過ぎた実験用マウスは、生後4週間のマウスよりも血液中のタウリンがはるかに少なく、15歳のアカゲザル(人間の年齢で45歳ぐらい)は、5歳のサルよりも同じ数値が85%も低かったそうな。
これは人間でも同じで、若い人と高齢者を比べると、タウリンが80%も減少していたとのこと。これぐらいタウリンは加齢に弱いわけですな。
では、タウリンのサプリを使ったらどうなるかってことで、この研究では、実験用のマウスとアカゲザルにタウリンを補給。すると、予想どおり、タウリンは長寿をもたらす働きがありまして、
- 生後4週間からタウリンを増やしたマウスは、そうでない個体よりも10~12%長生きし、28カ月後の平均寿命は18~25%延びた。
- また、タウリンを増やしたマウスは、そうでない個体よりも筋肉と骨が強くなり、うつや不安に似た行動が減り、脂肪が痩せて、炎症が少なくなった。
- 人間の年齢に換算して45歳から50歳のアカゲザルも、1日に体重1キログラムあたり250ミリグラムのタウリンを飲ませたところ、そうでない個体よりも、背骨と脚の骨密度が増加し、空腹時の血糖値が下がり、肝臓障害のレベルが下がり、炎症が減少した。
ってことで、いま47歳のわたくしとしては、「タウリンを意識したほうがよさそうだな…」って気分になりました。もちろん、マウスとサルの研究ではありますが、タウリンの働きはヒトと動物で似たところがありまして、私のようなアラフィフは注意しとくべきでしょう。サプリを飲むかなぁ……。
恋愛相手の好みは13年の間にどう変化するのか?
「13年間で恋愛相手の好みは変わるの?」って問題を調べたデータ(R)が出ておりました。誰にでも理想のパートナー像はあるでしょうが、その内容が時間の経過とともに変化するかどうかって話ですね。
この研究は、382人の男女を13年間にわたって追いかけたもので、その間に恋愛相手への好みが、どう変わっていくかを調べたんだそうな。そこで、具体的にどんなことがわかったかと言いますと、
-
13年が過ぎても、たいていの人の好みはわりと安定している。
- ただし、年齢が上がるにつれて、多くの人は肉体的な魅力と財力を重視しなくなる傾向があった。
- また、年をとるとおもに、優しさやユーモア、価値観の共有といった特徴のほうが、より重視されるようになった。
- 上記のような好みの変化は、「子供が生まれる」「離婚する」といったライフイベントの発生と関係していた。
- 研究の期間中に子供ができた人は、子供がいない人に比べて、地位や財力に対する好みが安定しなかった。そのため、子供を持つかどうかは、理想的なパートナー像に大きな影響を与える要因だと考えられる。
って感じでして、大きく見てみると、若い人ほど地位や財力を重視する傾向があるんだけど、年をとると性格の良さが重視されるって感じですね。年を取って家族を作るようになると、子育てに役立つ性格が重んじられるんでしょうか。
研究チームいわく、
理想的なパートナーの好みは、13年以上にわたってかなり安定しているが、いくつかの変化は子育てのようなライフイベントと関連しているようだ。
とのことで、まぁ個人的にも納得の結果ですかねー。
アルコールにもメリットはあるんだぞ!という研究
ここんとこ、健康の世界ではアルコールの評判がやたら悪いわけです。
といったデータがいくつも出てきて、どうやらほんのちょっとの酒でも、健康にはよろしくないらしいんですよ。
が、新しい研究(R)は、アルコールにちょっと有利な話になっていて、こちらも結論から見てみると、
- アルコールは脳をリラックスさせてくれるので、おかげで心臓への負担が減る!
みたいになります。これはマサチューセッツ総合病院などの研究で、数千人の参加者の飲酒量を分析。すると、週1回から14回の飲酒をする人は、週1回未満の人に比べて、心臓発作や脳卒中になる確率が低かったんだそうな。
さらに、参加者の脳をスキャンしてみたところ、適度にお酒を飲んでいる人たちは扁桃体のストレスが少なく、恐怖や脅威を感じづらい傾向があったとのこと。不安のレベルが高い人の場合、これらの変化はさらに顕著だったそうで、ネガティブな人ほど酒のリラックス効果は大きそうっすね。
要するに、アルコールが体に悪いのは間違いないものの、一方では、脳の不安を減らす作用が高いため、そのおかげで心臓や血管の病気が起きるリスクが下がるかもしれないんだ、と。
まぁ、そうは言っても、アルコールの害はかなり確立されているので、この結果をもとに「ストレス解消のために酒を飲もうぜ!」とは言いづらいところです。アルコールの力に頼らなくても、運動や瞑想で扁桃体の反応は十分に低下しますからねぇ。
個人的には、今後も外食以外での酒は控えつつ、運動と瞑想をメインに、扁桃体を飼い慣らしていこうかと思ってますが。