今週の小ネタ:カップルの関係を大改善する方法とは?男らしい顔の男がモテる状況とは?孤独感を改善しまくる方法とは?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
カップルの関係を大改善する方法とは?
マインドフルネスとセルフコンパッションで、カップルの関係が改善しまくるぞ!って研究(R)が出ておりました。
これは40〜59歳の男女640人を対象にした調査で、サンプルはほとんどが異性愛者。研究では、まずはみんなのマインドフルネスとセルフコンパッションのレベルを、アンケートで調べたんだそうな。
この調査では、マインドフルネスとセルフコンパッションを、以下のように定義しております。
- マインドフルネス=嫌なことでもただ観察し、ネガティブな感情をジャッジせず、反応をせずにいられるかどうか。
- セルフコンパッション=他人を思いやるときのように、自分にもやさしくしてやる態度。
過去の研究によれば、どちらの要素も、個人の幸福と人間関係の質を高めることが示されてまして、 カップルの関係性も改善してくれるのではないかと考えられるわけですね。
それで何がわかったかと言うと、だいたい以下のような感じです。
- 人間には、3つの大きな欲求がある。すなわち「有能さ=自分の能力を高めたい欲求」「関係性=周囲との人間関係をうまくやりたい欲求」「自律性=自分の行動を自分自身で決めたい欲求」という3つである。
この3つの中で、パートナーとの 関係性において最も重要で影響力が高いのは「関係性」だった。この研究では、パートナーとの関係性を強く感じている人ほど、人間関係の満足度が高かった。
また、「有能さ」も有意な影響があり、 この欲求が満たされている時ほど、パートナーとの関係性は良い。
- マインドフルネスとセルフコンパッションは、まず自分の「有能さ」を高めてくれ、それによって間接的に人間関係や性的満足を改善していることがわかった。つまり、マインドフルネスとセルフコンパッションのレベルが高くなると、「私は能力が高いのだ!」って 気持ちが強くなり、そのマインドの改善が、関係性と自律性の改善にも影響していく。
みたいな感じです。マインドフルネスとセルフコンパッションは、自分自身への安心感を強めてくれるんで、その気持ちが他者への余裕につながり、人間関係も改善していく……みたいなイメージですかね。
ちなみに、このデータでは、他者への思いやりは、自己への思いやりに比べて、人間関係や性的満足度との関連性が弱いって結果が出ているのがおもしろいところです。もちろん、他者を思いやるのは良いことなんだけど、その前に自分に優しくしてやらないといけないってことなのかもですな。なんかわかるなぁ。
男らしい顔の男がモテる状況とは?
「男らしい顔はモテるのか?」って問題が昔からあるんですよ。アゴが張っていて、頬骨が高かったり、口元が大きかったりといったゴツい顔は、私のような童顔よりも異性から人気が出やすいのではないかって考え方です。
事実、これはデータでも支持されていて、
- 特に欧米などでは男らしい顔がモテる!
- ただし、男らしい顔は、誠実さに欠けていて、短期的なつきあいしかできなそう……とも思われがち
みたいな傾向がよく確認されてたりします。この傾向はアジア圏では少し弱いんだけど、基本としては似たような結果が出るケースが多めっすね。
ということで最近の研究(R)は、「男らしい顔の男がモテる場面」「女らしい顔の男がモテる場面」について調べてくれていておもしろかったです。
具体的には、802人の女性(平均25歳)から協力を得て、まずはみんなに、
- 「自分の必要を満たすのに十分なお金がないと感じることがよくありますか?」
- 「自分の経済状況が窮屈に感じることが多いですか?」
- 「お金が足りないために物事を我慢しなければならないことがよくありますか?」
といった質問を投げかけたんだそうな。要するに、この研究チームは、「私は生きるために必要な資源が足りない!」って思うかどうかで、男性の顔の好みが変わるのではないかと考えたわけです。
その後、参加者に42人の男性の顔を見せ、その魅力を評価してもらったところ、以下のような結果になりました。
- 「私は生きるための資源が少ない!」と感じている女性は、女らしい顔の男に魅力を感じた。
- 「私は生きるための資源がある!」と感じている女性は、男らしい顔の男に魅力を感じた。
おもしろいことに、「お金がない」と感じる女性はフェニミンな顔を好んだみたいっすね。なんだか不思議な現象のようですが、このメカニズムをすごーくざっくりまとめると、
- 女らしい顔の男は、「困った時に助けてくれそう!資源を分け与えてくれそう!」ってイメージがあるため、資源が乏しい場面ではフェミニンな顔が好まれる。
- 男らしい顔の男は、「とにかく強そう!生き残れそうな遺伝子を持ってそう!」ってイメージがあるため、資源が豊富な場面ではゴツい顔が好まれる。
みたいになります。小難しく言うと、物質的な資源が乏しい状況では、女性は男性の資源提供の可能性を示す特徴を優先するってことですが、簡単に言うと、資源が乏しい状況では「良い人そう!」って顔が好まれ、資源が豊富な環境では「強そう!」って顔が好まれる……みたいな理解で良いんじゃないでしょうか。
孤独感を改善しまくる方法とは?
感謝の気持ちは超大事!って話は、このブログで何度か書いてきた話。感謝の気持ちがあると幸福度が上がるし、運動もよくするし、衝動買いも減ったりするというんですな。
で、新しいデータ(R)も感謝の効果にまつわる話で、「感謝の気持ちが孤独感を下げる!」という内容になっております。ご存じのとおり、孤独感はめっちゃ体に悪いですから、感謝の気持ちが対策になるなら素晴らしいことなんですよね。
これは26の研究データをまとめたメタ分析で、感謝の気持ちと孤独感の関係を調べた過去の研究から26のデータをピックアップし、合計9,679人のデータを分析したんだそうな。
それで何がわかったかと言いますと、
- 感謝の気持ちと孤独感の間には中程度の逆相関があった。つまり、感謝の気持ちが強い人ほど孤独感が少ない。
- 知らない人に対してランダムに感謝した場合、その人が孤独感において平均以下のスコアを獲得する確率は62.4%だった。
って感じです。孤独を感じている人は、うつ病、心血管障害、認知機能の低下などの問題を抱えやすいんだけど、感謝が持つポジティブな効果が孤独のダメージを相殺してくれるみたいなんですな。
研究チームいわく、
感謝はポジティブ心理学の重要な構成要素であり、心理学的、身体的健康の両方に関係している。一方で、孤独感は、社会的つながりの欠如から生じる嫌悪的な感情体験である。
今回の分析では、感謝の気持ちと孤独感の関連が、全体的に非常に強固だったことに大変満足している。この結果は、感謝のレベルの高まりが、より大きな対人回復力と関連していることを示唆している。
とのことで、感謝の気持ちがブーストすれば人間関係は良くなるし、それによって孤独感も減るよねーって話でした。具体的な方法については「感謝の気持ちを鍛えて幸福度を爆上げする6つのトレーニング法」をご覧いただくと幸いです。