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話題の成分「スペルミジン」がメンタルに効くんじゃないの?という観察研究の話

 

スペルミジンがメンタルに効く!って話(R)が出ておりました。

 

スペルミジンってのは、細胞の健康を維持するために必要な「ポリアミン」と呼ばれる物質の一種。細胞の成長や修復、そして老化防止に関わる重要な分子で、特に「オートファジー」という細胞の自己浄化プロセスを活性化させる能力が高いことで知られております。オートファジーってのは、細胞内の不要なゴミを分解して再利用する仕組みで、これによって細胞の若さを保ち、ストレス耐性を向上させると言われてるんですな。

 

そのため、過去には「若返りの秘薬トップ4」にも選ばれたことがありまして、遺伝子の安定化や細胞の寿命を伸ばす効果があるなどと指摘した研究もあるほど。今回の研究によると、このスペルミジンが豊富な食品を多く摂取している人ほど、うつ症状が軽いと報告してまして、これは気になっちゃうところです。

 

これはアメリカの大規模な健康調査である「NHANES」のデータを使用した研究で、スペルミジンとメンタルヘルスの関係に光を当てております。具体的には、2005年から2014年までの間に収集された19,000人以上の参加者のデータを解析し、参加者の食事記録をもとにスペルミジンの摂取量を推定し、メンタルの状態を評価したんだそうな。

 

その結果、スペルミジンが豊富な食品をよく食べている人ほど、うつ症状が少ない傾向が確認されたらしい。特に、フルーツ、野菜、ナッツ、魚介類、卵といった食品が高い相関を示してまして、肉や乳製品などの食品では、これといった効果が見られなかったらしい。おそらく、飽和脂肪やトランス脂肪あたりの成分が、スペルミジンの効果を打ち消しているんでしょうな。

 

 

では、なんでスペルミジンがうつ症状に良い影響を与えるのかってことで、研究チームは、以下の3つのメカニズムを指摘しておられます。

 

  1. 抗炎症作用:スペルミジンは炎症を抑える効果があるため、脳の炎症がうつ症状を引き起こすのを防ぐ可能性がある。慢性炎症はメンタルヘルスの問題と深く関連しているので、スペルミジンの摂取によってこれが軽減されるかもしれない。

  2. 抗酸化作用:スペルミジンには強力な抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから守ってくれる。脳細胞がストレスによって損傷を受けると、メンタルヘルスにも悪影響が及ぶが、スペルミジンはこれを防ぐ役割を果たしていると考えられる。

  3.  神経細胞の保護:オートファジーを通じて、スペルミジンは神経細胞の健康を維持する可能性がある。これにより、脳機能が最適に保たれ、ストレスや感情の変動に対する耐性が高まるのだと思われる。

 

ってことで、これを見る限り、「スペルミジンのサプリメントを使って見ようかなぁ……」みたいな気になるわけです。まぁ、あくまで観察研究なので因果関係を証明するものじゃないし、スペルミジンが直接的にうつ症状を軽減するんじゃなくて、単に健康的な食生活そのものが影響している可能性は否定できなかったりします。さらに、食事記録が参加者の記憶に頼っているため、データの正確性にも限界がありますんで、そこも御留意あれ。

 

とはいえ、サプリメントを買うまではいかずとも、日々の食生活にスペルミジンを取り入れるのは十分ありだと思いますんで、以下のような食品をたくさん摂取してみると良いでしょう。

 

  •  野菜:ほうれん草、ブロッコリー、カリフラワー
  •  果物:リンゴ、バナナ、キウイ、アボカド
  •  ナッツ:アーモンド、ピスタチオ、栗
  •  穀物:全粒パン、米
  •  動物性食品:卵、魚介類

 

これらの食品を日常的に摂取すれば、スペルミジンの恩恵を受けることができるはずであります。 朝食に全粒パンとアボカドを組み合わせたトーストを作ってみたり、おやつをアーモンドやピスタチオを切り替えてみたりすると、スペルミジンを豊富に摂取できるんじゃないかと。

 

もしサプリメントを使ってみたいときは、「California Gold Nutrition, スペルミジン」などを使っていただくと良いでしょう。サプリを試してみるかなぁ……。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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