やる気を高めるには、努力の『痕跡』を残すといいぞ!という実験の話
「人間のやる気を高めるには、何が必要なの?」って問題を調べた研究(R)が、実用性が高くていい感じでした。
一般的に、やる気を出す方法といえば、
- 楽しいことをする
- ご褒美を用意する
- 細かく目標を立てる
- 誰かにほめてもらう
みたいな話が定番ですけども、今回の研究では「自分がやったことが少しでも形に残るだけでもいいよー」って結論になってて面白いんですな。
作品が残るだけで、やる気が高まったぞ
ここで研究チームは、4〜9歳の子どもと成人を対象に複数の実験を実施。最初の実験では、参加者にパズルのピースを組み合わせた作品を作ってもらいまして、その際、参加者を次の2つの条件に分けております。
- 作った作品をすぐに壊してしまう
- 作った作品を箱に入れて保存する
作業の内容は、どちらもほぼ同じで、違うのは「完成した作品が残る」か「作ったものがその場で消えてしまうか」ってとこだけっすね。
すると、その後で両グループには大きな違いが出まして、
- 子どもも大人も、作品を保存する作業を明らかに好むようになった。
- もうちょい詳しく言うと、成人では最大90%、子どもでも最大80%が、作品を残せるほうを選んだ。
って感じだったとのこと。自分の努力が形に残るだけで、作業そのものの魅力まで高まるってことですな。
とはいえ、この実験だけだと、単に「物を捨てるのが嫌だっただけでは?」とも考えられますんで、研究チームは別の実験もやっております。こちらでは、
- 自分で作品を作る
- 画面上でピースが動くのを見る
という2つの条件を用意。そのうえで、作品を保存するためなら、持っているシールを1枚あきらめてもいいか?と尋ねたんだそうな。
すると、やはりこちらでもグループ間に違いが出まして、
自分で作品を作った人は、シールを払ってでも保存したがりました。一方で、他人が作る様子を見ただけの人には、同じ傾向が見られなかったとのこと。つまり、人間は何でも保存したいわけではなく、自分が労力を注いだものを残したがるってことですな。
作品が残るなら、面倒な作業も選ぶ
で、もひとつ次の実験も面白くて、こちらでは参加者に、
- ピースを指定された形に並べる、手間のかかる作業
- ピースを箱に移すだけの、簡単な作業
のどちらかを選んでもらったんですよ。そこで結果がどうなったかと言いますと、
- 完成した作品が保存される条件では、成人の83%、子どもの80%以上が、手間のかかる作業を選択した。
- ところが、作品がすぐに解体される条件では、成人は34%、子どもも約50%しか手間のかかる作業を選ばなかった。
ってことでして、同じ作業でも、「自分がやったことが残る」と思うだけで、わざわざ面倒なほうを選ぶ人が増えたわけです。
しかし、こうなると、今度は「じゃあ、楽しい作業にすれば、作品が残らなくても問題ないのでは?」という疑問も出ますんで、さらに研究チームは追加の実験も実施。「楽しいだけでも、作品を残すのと同じぐらいやる気が出るの?」ってところを調べたところ、
- 参加者が楽しみながら作業をしたときは、確かにみんなのやる気は少し上がった。
- しかし、それでも作品が保存されることによる「やる気ブースト」効果が大きく確認された。
って結果だったんですよ。どうやら私たちの心理の中では、「楽しいからやる」と「自分の行動に何かが残るからやる」って2つの感覚は、別々の方向からモチベーションを高めてくれてるみたいなんですな。これは、なかなか大事な視点ですねぇ。
日常では「確かにやった」と確認できるようにする
ってことで、これらの結果をもとに、私たちがモチベーションを高めるためには、
- 作業の成果を目に見える形で保存する
- 数字や写真を使って進捗を記録する
- 大きな仕事を小さな完成品に分ける
- 学んだことを自分の言葉でアウトプットする
- 一日の終わりに「今日残ったもの」を振り返る
といったガイドラインを守るといいんじゃないかと思った次第です。まぁ、あまり難しいことは考えずに、勉強した内容をノートに残す、筋トレの重量を記録する、料理の写真を撮るぐらいでもいいとは思いますが。とにかく、作業前後の変化を記録するのが大事。
もうちょい細かく言うと、一日の終わりに、
- 今日終えたこと
- 今日作ったもの
- 昨日より進んだ部分
を3つ記録するだけでも、モチベは上がるんじゃないかなーと思っております。お試しあれー。



.jpg)
