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血糖値が上がると、そのあと食べすぎてしまう!はどこまで本当なのか?

 
 

「血糖値がドカンと上がると、その反動で腹が減って食べすぎる!」みたいな話を、一度は聞いたことがあるでしょう。

 

これがどういう理屈かと言いますと、

 

  1. 糖質を食べる
  2. 血糖値が大きく上がる
  3. インスリンがたくさん出る
  4. そのあと血糖値が下がる
  5. 腹が減る
  6. また食べる

 

みたいな感じになってまして、なんとなく正しいような気がするんですよね。なので、この手の話を聞くと、「じゃあ血糖値が上がりにくいものを食べれば、自然に食欲も減って痩せやすいのでは?」と思いたくなるわけです。

 

ところが、新しい研究(R)を見ると、話はそこまで単純じゃなさそうなのが面白かったです。

 

 

 

マンゴー vs 砂糖で血糖値を比べてみたら?

これは「マンゴーと砂糖を朝食に足したら、その後の血糖値と食欲はどう変わるの?」って研究で、18〜30歳の健康な成人18名が対象。参加者には、別々の日に、以下の3種類の朝食を食べてもらったんだそうな。

 

  • コーンフレーク+無糖アーモンドミルク
  • 上記+砂糖34g
  • 上記+マンゴー226g

 

砂糖とマンゴーから追加されるカロリーは、どちらも136 kcalになるように調整。マンゴーには約38gの炭水化物が含まれており、そのうち糖類が約35g、食物繊維が3.3gなんで、「糖質量もカロリーもだいたい同じだけど、片方は普通の砂糖で、もう片方は果物だったらどうなるか?」ってことですね。

 

でもって、その後2時間にわたって、

 

  • 血糖値
  • 空腹感
  • 満腹感

 

を測定。さらに2時間後には、フムスとクラッカーを好きなだけ食べてもらい、「結局どれぐらい食べるのか?」までチェックしたところ、結果はこんな感じになりました。

 

 

 

やっぱりマンゴーのほうが腹持ちはいい

まず血糖値についてですが、食後30分の血糖値は、

 

  • 砂糖:約150 mg/dL
  • マンゴー:約139 mg/dL
  • コントロール:約134 mg/dL

 

って感じ。「食前からピークまでどれぐらい血糖値が上がったか」を見ると、砂糖は約57 mg/dL上昇したのに対して、マンゴーは約46 mg/dLだったそうな。つまり予想どおり、砂糖のほうが血糖値を急激に上げやすかったわけですね。

 

さらに食欲についても、

 

  • マンゴーは砂糖より満腹感が高い
  • マンゴーは砂糖より空腹感が低い

 

という結果に。特にマンゴーを食べたグループは、食後15〜60分の満腹感が高く、2時間後にも空腹感が低めだったとのこと。まぁ、果物には水分も食物繊維もあるし、噛む必要もあるので、同じカロリーの砂糖より満腹感が出るのは不思議じゃないっすね。

 

 

 

ところが、そのあと食べる量は変わらなかった

さて、問題はここからでして、2時間後にフムスとクラッカーを好きなだけ食べてもらったところ、摂取カロリーは、

 

  • コントロール:約451 kcal
  • 砂糖:約433 kcal
  • マンゴー:約446 kcal

 

って感じで、ほぼ同じだったらしいんですよ。つまり、これを見る限りは、

 

  1. マンゴーを食べる→
  2. 血糖値の上昇が穏やかになる→
  3. 空腹感も減る→
  4. 満腹感も増える

 

ってとこまでは予想どおりだったのに、なぜか「だから次の食事量が減る!」って結果にはつながらなかったんですよね。うーん、不思議。

 

 

 

「空腹=食べる量」ではなさそうだぞ

ではなぜ、腹が減っていないのに同じぐらい食べたのか?ってことですが、研究チームいわく、

 

人間は空腹だけを理由に食べているわけではない

 

とのこと。人間の食事量ってのは、

 

  • 空腹
  • 満腹感
  • 食べ物のおいしさ
  • 習慣
  • 「これぐらい食べるもの」という量の感覚
  • ストレスや気分
  • 報酬系

 

など、いろんな要素で決まるんで、「空腹が弱い=食べる量も減る」と言えるほど単純じゃないって話であります。

 

たとえば、目の前にポテトチップスが一袋あった時に、「腹が減ってるから100g食べよう!」と考える人はほぼいないはず。いつも食べている量とか、袋の大きさとか、「せっかくあるから」とか、単純にうまいとか、そういう要因で食べる量が決まることのほうが多いでしょう。つまり、「腹が減っているか?」と「実際に何kcal食べるか?」は、思ったほど直結していないってことっすね。

 

まぁ、うまそうな食べ物が目の前にあれば、多少満腹でも普通に食べられたりしますからねぇ。

 

 

 

血糖値スパイクを気にしすぎても仕方ない

ただし、この研究は「血糖値なんかどうでもいい」ってのを示したものじゃないので、そこはご注意あれ。実験の参加者はわずか18人だし、調べたのも朝食後の2時間だけですんで。

 

とはいえ、それでも「血糖値が大きく上がるらから腹が減って、次の食事で食べすぎる!」って考え方は単純すぎるよなー、と思わされる結果ではありますね。実際、この研究では、砂糖のほうが血糖値を大きく上げたにもかかわらず、2時間後の摂取カロリーはマンゴーと変わってないんで。もちろん、マンゴーのほうが栄養が豊富ってメリットはあるんだけど、「血糖値を上げない食品を選べば、自動的に食欲が減って痩せる」とまでは言えないってことですな。

 

なので、ダイエットで食べすぎを防ぎたいなら、やはり血糖値だけを見るより、

 

  • 食品のカロリー密度
  • タンパク質や食物繊維
  • 食品のおいしさ
  • 一回に食べる量
  • 間食を置いておく環境

 

あたりもセットで考えとかないといけないんでしょうなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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