フルーツの糖質はお米の糖質より老けやすいのか?
果糖で体が老けるって本当?
昔から「果糖はブドウ糖よりヤバい!」 って話があるんですよ。フルーツにふくまれる果糖は、ブドウ糖よりもカラダへのダメージが大きく、肥満や病気の原因になりやすいんだって説であります。
こないだやってた映画「あまくない砂糖の話」でも「果糖がヤバい!」って主張が展開されてまして、
- 果糖は肝臓にダイレクトに作用する
- 肝臓へのダメージが大きく脂肪肝の原因に
- 健康が悪化!
といった説明がされておりました。確かに、果糖で慢性炎症が起きるかも?ってデータ(1)はいろいろありまして、この主張にも一理があるところ。これが事実であれば、フルーツのドカ食いもヤバいってことになっちゃうので、果物好きのわたしとしては悩ましいところです。
といったところで、新たに「果糖を大量に飲んだら体は老化するの?」を調べてくれた論文(2)が出まして、かなーり参考になります。
果糖とブドウ糖で老化の違いをチェック
これは24名の男女を対象にした実験で、みんなに果糖を飲んでもらって、どんだけ体が老けていくかどうかを調べたんですね。いままでの果糖の研究は、マウス実験がメインだったり、炎症レベル(老化のサイン)については調べてくれなかったんで、かなり貴重なデータかと思われます。
で、実験では、参加者に以下の3パターンでドリンクを飲んでもらったんですね。
- 1日の摂取カロリーの25%を果糖にする
- 1日の摂取カロリーの25%を果糖ぶどう糖液糖にする
- 1日の摂取カロリーの25%をぶどう糖にする
実験の期間は、それぞれ8日ずつ。摂取するカロリーは、1日に必要なカロリーの150%に統一したそうな。あえてオーバーカロリーにして、どんだけダメージが出るかを見たわけですね。
果糖とブドウ糖に違いはなかった
そのうえで、いろんな炎症マーカーをチェックしたところ、
- みんなの炎症レベルはまったく同じ!(CPRとかIL-6とか)
- リーキーガットのレベルも変わらず!
- 脂肪の炎症(特に老化と関連が深い)も同じ!
- みんな同じように太った!(ただし、やや果糖のほうが肝臓の脂肪は増えた)
みたいな感じ。やはり果糖のほうが肝臓への影響はデカいものの、全体的にみれば、果糖のほうが老けやすいってことはなかったみたい。やっぱマウス実験とは違うもんですなぁ。
もちろん、この実験でも果糖のとりすぎで肝脂肪は増えているんで、すごく長期的にみればヤバいのかも?って可能性はあるかも。ただし、2014年のメタ分析(3)などを見ますと、「いくら砂糖や果糖をとりすぎようが、最終的にはカロリーが増えすぎない限りはダメージは少ない」って結果ですんで、結局はカロリーの問題なんだろうなぁと思うわけです。
結局、最終的にはカロリーが一番大事
以上の話をまとめると、
- 果糖もブドウ糖も、老化ダメージにはほぼ差はなさそう
- 結局、カロリーを取りすぎない限り、果糖が体に悪さをする可能性は低め
みたいな感じです。要するに、カロリーオーバーにならない限りは、そこまで「お菓子を食べたら老けるんじゃないか…」と心配しなくてもいいんじゃない?って話ですね(もちろん栄養バランスの問題はありますが)。どうぞよしなに。