気分の落ち込みを解消するもっともシンプルな方法
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行動活性化療法がメンタルに効きまくる?
当ブログでは、よく「認知行動療法」は良いよーって話をしております。認知行動療法をざっくり言うと、自分の考え方のゆがみに気づいて、それを少しずつ正していく方法のこと。とにかく実証データが豊富なんで、現時点では「メンタルがヤバい…」ってときの最適解ではないかと思っております。
が、近ごろ「行動活性化療法は認知行動療法と同じぐらい効くよ!」ってデータ(1)が出まして、これがかなりいい感じなんですな。めんどうなので、ここからは認知行動療法をCBT、行動活性化療法をBAと略します。
「落ち込んだら好きなことをやれ!」というメソッド
BAは1970年代ぐらいからある方法で、とてもシンプルな原理で成り立っております。具体的には、- 1時間おきに自分が何をやったかの記録を付ける
- 自分の行動で気分が良くなったかどうかを10点満点で採点
- 得点が高かった行動を増やす
- 得点が低かった行動は減らす
みたいな感じ。増やしていく行動の内容は、エクササイズでも家族との食事でも猫と遊ぶでも何でもOKであります。ものすごーく簡単に言うと、「落ち込んだら好きなことをやれ!」ってメソッドなわけですね。
なんとも当たり前な話のようですが、メンタルがヘコんじゃうと、「自分は何が好きなのか」すらわからなくなっていくんで、やっぱり意識的な介入は必要。つまり、CBTとの違いをまとめると、
- BA=外側を変えることで内側を変える
- CBT=内側を変えることで外側を変える
といった感じになっております。アプローチの方向が真逆なんですな。
行動活性化療法はシンプルで効果が高い
で、このたび新たに行われた実験は、鬱病に悩む440人を対象したもので、- BAを16週間行う
- CBTを16週間行う
の2グループにわけたうえで、18カ月後の状態をチェックしたみたい。その結果は、
- どちらのグループも、およそ67%の患者に50%の症状改善がみられた
- ただし、BAのほうが治療コストが20%安かった
だったそうな。どっちも効果はほぼ変わらないんだけど、BAのほうがシンプルなぶんだけ治療費が安いんだ、と。
まぁCBTもそんなに複雑なメソッドじゃないものの、ある程度は認知モデルを頭に叩き込まないといけないんで、行動からアプローチするほうがわかりやすいですからねぇ。「めんどうなことは考えたくない!」という人は、BAから試してみたほうがいいかもですな。
まとめ
そんなわけで、個人的には今後もCBT中心で行くつもりですが、BAは自分ひとりでも取り組みやすいメソッドなので、いざメンタルが落ち込んだときの武器のひとつとして持っておくとよさげです。とりあえず使ってみたいという方は、「うつを克服するための行動活性化練習帳」を読めばOK。さらに背景の理論まで掘りたければ「うつ病の行動活性化療法」がおすすめです。