対人不安に効果絶大な「エクスポージャー」の実例がいろんな意味でヤバい
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エクスポージャーの効果がすごい!
2016年に読んだ「セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック」がおもしろかったんで、「やっぱエクスポージャーって使えるよなー」みたいな気分になっております。
日本語では「暴露療法」と言いまして、ざっくり言うと「すこーしずつ恐怖心に体を慣らしていきましょうねー」みたいな方法のこと。たとえば高所恐怖症の治療だったら、まずは「みかん箱の上に乗ってみよう!」ってとこから始めて、少しずつ高さをあげてくんですな。
シンプルな方法ながら効果は高く、おもに認知行動療法と組み合わせた実証データが多め。とくにパニック障害や社交不安の治療などには、かなりの成績を叩き出しております。体内に少しずつアレルゲンを注射してアレルギーを治す「減感作療法」に似てますねー。
対人不安のためのエクスポージャーがヤバい
ってことで近ごろ「社交不安障害 」(Social Anxiety)って本を読んでたんですが、ここに出てくる「対人不安のためのエクスポージャー例」に笑ってしまったんでメモ。具体的には、
- 書店に行って店員さんに「すいません。おならに関する本を探しているんですが」と言ってみる。
- レストランで客のグループに話しかけ、「知り合いの結婚式でスピーチをするんで、ちょっと聞いてもらえますか?」と頼む。
- 有名なスポット(スカイツリーとか)の前に立って、10人の道行く人たちに「スカイツリーはどこですか?」と尋ねてみる。
- 高級ホテルに電話して部屋を予約し、観光ツアーに申し込んだり、コンサートチケットの手配を頼んだり、ベッドにバラを置くように頼んだあとで全てを断る。しかも謝らない。
- 人気のあるレストランのカウンターに1人で座り、隣の客に対して、「マトリックスに出演していた俳優は誰でしたっけ?」と聞く。映画のタイトルは何でもいい。
- ツタヤでDVDを借りたあと、いったん店を出てからすぐに店内へもどり、同じ店員に話しかける。「やっぱ返却します。DVDプレイヤーを持ってないのを思い出したんで」
- 薬局で店員にコンドームを出し、「これより小さいサイズないですか?」と聞く。
- 路上で「メリーさんのひつじ」を大声で歌う。
うわー、敷居が高い!アホみたいな手法ばかりですが、どれもボストン大学で実際に使われており、ちゃんと成果をあげているんだそうな。うーん、恐ろしい。というか、コンドームのやつとか、中学生がイタズラでやる罰ゲームみたいですが。
もちろん、「他人と話すのが怖い人はやってみよう!」とは言いませんが、これを参考に「見知らぬ人に会釈してみる」ぐらいのレベルから試すのはいいかも。ゲームみたいにしてみるといいかもですな。
Stefan G. Hofmann Academic Press 2014-07-15