卵の「黄身」で筋肉が発達しやすくなるかもしれないぞ!という実験
卵と筋トレの関係について考える
卵ってすごいよなー、みたいな話をよく書いております当ブログ。ダイエットに効くとか、炎症が減るとか、いろいろとおもしろげなデータが出てまして、私も毎日必ず食べるようにしております。
が、ここで気になるのが「卵って筋トレに役立つの?」ってとこ。実は「卵を食べたら筋肉が育ちやすくなるの?」って問題を調べた実験って、まだほとんど行われてなかったんですよ。これだけ定番の食材にしては意外ですが。
といったところで、近ごろ「卵と筋トレの関係を調べたよ!」って論文(1)が出まして、これがなかなか参考になります。
卵を食べつつ筋トレをしてみたら……
これはイリノイ大学の実験で、10人の健康な男性が対象。みんなに足を中心の筋トレをしてもらいつつ、
- 3個の卵を食べる(タンパク質18g、脂肪17g、226kcal)
- 3個の卵の白身だけを食べる(タンパク質18gのみ、73kcal)
の2パターンでタンパク質を取ってもらったんだそうな。筋トレの種類はレッグプレスとレッグエクステンションの2つで、それぞれ10回ずつ4セットを行ったらしい。
でもって、卵を食べてから5時間後に筋肉のタンパク質合成量をチェックして、どれぐらい筋肉が発達するかどうかをみたとのこと。
ちゃんと黄身を食べたほうが筋肉が発達する!(かも)
で、その結果がちょっと意外でして、
- 白身と黄身をすべて食べた場合は、白身だけを食べるよりタンパク質の合成量が42%も高かった!
って感じだったんですな。この傾向は卵を食べた直後から5時間後も変わらず、白身+黄身を食べたほうが良い成績がで続けたらしい。もちろん、タンパク質の合成量が高いからといって「筋肉が発達しやすい!」とは言えないものの、おもしろいもんですな。
なんでこういった違いが出るのかは不明ですが、考えられる話としては、
- 白身+黄身のほうがカロリーが多い:カロリーを増やすほうがタンパク質合成量は高くなる傾向がある
- 白身+黄身のほうがアルギニンが30%多い:ただしアルギニンが筋肉量アップに役立つかは不明
- 黄身の脂肪分のおかげ?:過去のデータ(2)では、スキムミルクより全乳のほうがタンパク質合成が上がってる
といったところがあるでしょうが基本的には謎。うーん、不思議。
まとめ
そんなわけで謎の多い実験ではあるものの、とりあえず「タンパク質補給に卵を使うなら黄身も一緒にね!(カロリーには気をつけつつ)」とは言えるでしょうか。また、今回の論文で参照されてたデータ(3)を見ますと、
- 卵のタンパク質20g(そのうちロイシン1.6gが)タンパク質合成量のマックス!
だそうなんで、だいたい筋トレ後にMサイズの卵2個ぐらい食べればいいのかも。いずれにせよ「黄身があったほうが筋肉は発達しやすいかも!」ってのはナイスな知見ではないでしょうか。やっぱ卵は使えるな……。