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まさか「重曹」が体内のアンチエイジングに効くかもしれない、だと……(ただし自己責任)

Baaking

 

ここんとこ、重曹ってわりとすごいんじゃないの?みたいな話を多く書いてたりします。掃除や料理に使われるあの白い粉ですな。

 

 

たとえば、「疲れにくい体になるのでは?」や「運動のパフォーマンスも上がるのでは?」なんて話もありまして、いろいろと見どころがありそうなんですよ。こんな身近なアイテムに効果があるってのは、夢が大きい話ですなぁ。

 

 

そんな状況下、今度は「重曹に抗炎症作用があるよ!」ってデータ(1)が出てきてびっくりでした。ご存じのとおり炎症は万病のもとでして、これに重曹が効くってのが本当ならなかなかすごい話しじゃないかと。

 

 

これはオーガスタ大学の実験で、18人の男女を2つのグループに分けております。

 

  1. 2gの重曹を溶かした250mLの水を飲む
  2. 食塩が入った250mLの水を飲む

 

って作業を毎日続けてもらって、実験期間は2週間。最後に血液検査をおこなって、体内の炎症レベルにどれぐらいの違いが出たかをチェックしたみたい。

 

 

その結果がどうだったかと言いますと、

 

  • 重曹を飲んだグループは……
    • TNAα(炎症を示すマーカー)が減少!(55 vs 26)
    • M1マクロファージが減少(3.3 vs 1.6)

 

って感じ。M1は炎症をアップさせる免疫システムの一部っすね。

 

 

これだけ見ると、参加者の体調が良くなったかどうかは不明なんですが、たしかに体内の炎症レベルは下がったみたい。研究チームいわく、

 

重曹はコリン作動性の抗炎症経路を活性化させる働きがある。安くて効果的で安全性が高く手軽に手に入り、しかも体への負担が少ない。

 

この作用は、炎症性の疾患に悩む患者には、臨床的にも使えるメリットをもたらす可能性がある。

 

とのこと。かなり豪快に言い切ってますねぇ。

 

 

このようなメリットが得られた理由としては、

 

  • 重曹のおかげで胃酸が増えて消化がよくなったから
  • 重曹が脾臓にシグナルを送って免疫のバランスが変わったから(M1とM2のバランスね)

 

といった経路が考えられております。まぁありそうな話ではあるんですよね。

 

 

ただ、これはあくまで「可能性」の話でして、「重曹水はアンチエイジングにオススメ!」とはどうにもまだ言えない感じ。個人的には過去に実験で1日2gの重曹を飲んでたことがありまして、特になんの問題も起きなかったんですが、果たしてM1とM2のバランスを変えてしまうのが万人に良いことかはなんともいえないんですよねぇ……。

 

 

実際、この研究でも健康な人だけを対象にしてるんで、極度のアレルギー体質や感染症、悪性の腫瘍ができやすい方などは、重曹でどのような影響が出るかはちょっと未知。下手をすれば食物アレルギーが悪化する可能性もありまして(2)、どうにもオススメはしかねるところです。

 

 

ってことで、基本的には今後の追加調査に期待したいんですが、「自己責任で試してみたい!」という方は以下の手順でどうぞ。

 

  1. 250mLの水に2gの重曹を溶かす
  2. これを食事の4〜5時間前に飲んでおく

 

って感じで行えば、実験の手順を再現できますんで。自分でもちょっと試して血液検査をしてみようかなぁ。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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