今週末の小ネタ:SNSを1カ月やめたらどうなる?、SNSと失恋、似た者同士が付き合うと幸福になれる?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
SNSを1カ月やめてみたらどうなるか?
以前にも「SNSを止めると幸福になる!」って話がありましたが、また新たに「フェイスブックを止めたら幸せに!」みたいな話(R)が出ておりました。
これは2,743人のフェイスブックユーザーを対象にした実験で、全体を2つのグループに分けております。
- フェイスブックを1カ月使わずに過ごす
- いままでどおりフェイスブックを使う
でもって、実験期間のあいだに全員のメールやテキストメッセージなどを分析して、両グループの主観的な幸福感を測定したら、こんな結果になりました。
- フェイスブックを使わなくなったら、平均でみんな1日60分の余暇時間ができた
- フェイスブックをやめたグループは、幸福感と生活の満足度が上がり、抑うつと不安が減少した。その効果は人によって違うが、だいたい約25〜40%ぐらいだった
- フェイスブックをやめたグループは、ニュースを読む時間が15%減り、世間の動きをフォローできなくなった。ただし、目立ったマイナスポイントはこれぐらいだった
ってことで、1カ月ほどSNSを止めると最大で40%も幸福感が高まる可能性があるわけっすね。この効果については、ネガティブなニュースへの接触が減ったのと、同時に1時間の余剰ができたおかげで、家族やら趣味との時間に使うことができるようになったのが原因らしい。これは考えてみる価値がありそうですなぁ……。
SNSを使ってると失恋から立ち直るのが超大変
こちらの研究(R)もSNSに関する調査で、ざっくり言えば「フェイスブックを使うと失恋から立ち直るのが超大変!」みたいな結論になってます。
この調査は、過去18カ月のあいだに失恋を経験した男女19人に徹底的なインタビューを行ったもので、「SNSと失恋」について、だいたいこんな傾向が確認されたそうな。
- SNSは定期的の元恋人のことを思い出させるため、心の傷を癒にくくさせる
- 具体的には、フェイスブックが「元恋人が新しいパートナーを見つけたぞ!」と知らせてくるし、「思い出」 機能が元恋人の写真を急に表示してくるし、「知り合いかも」機能が元恋人との関係を刺激してくる
ってことで、フェイスブックのお役立ち機能の数々が、失恋をした人間の古傷をえぐってくるわけですな。言われてみればそうっすね。
研究チームいわく、
ソーシャルメディアが発達する以前でも失恋の辛さは同じだったが、元カレや元カノと人と距離を置くのはずっと簡単だった。ところが、現代でがオンライン上のさまざまな場所でリマインダーが襲ってくるため、失恋の痛手を癒すのがほとんど不可能になる。
とのこと。失恋をしたばかりの方も、いったんSNSから距離を置くのがいいかもしれませんなぁ。
似た者同士が付き合うと幸福になれるのか?問題
「似たもの同士はひかれ合う」ってのはよく言われる話で、過去の研究(R)でも確認された現象だったりします(「人間は自分に似た顔を好きになるのか?」って問題については現在のステータスによって変わるみたいですが)。
ただし、新しいデータ(R)では「性格が似てるパートナーは必ずしも長続きしないぞ!」って結論になってておもしろかったです。
これはミシガン州立大学などが2,578組のカップルを調査したもので、平均年齢51歳で結婚歴22年の人々にフォーカスした内容になっております。具体的には、みんなのビッグファイブを調べたうえで、人間関係の満足度や人生全体の幸福感がどう関係してるのかをチェックしたんですよ。
で、どんな傾向が見つかったかと言いますと、
- 誠実性、外向性、協調性が高い人は、基本的に夫婦関係に満足している傾向があった
- 良心的で神経質ではないパートナーがいれば、基本的には幸せになれる
- パーソナリティが似ているかどうかは、夫婦の幸福にはほぼ関係がない
だったそうな。パートナーとの幸福を決めるのは「性格の類似」ではなく、第一に大事なのは「自分の性格」であり、次に「パートナーの性格」が重要になるってことですな。
まぁ基本的には誠実性と不安傾向が大事ってのは過去の研究でも出てますんで、「結局は自分の性格がどうなのか?が一番大事」ってのはよく分かりますね。