このブログを検索




人間は自分に似た人を好きになる!はどこまで本当か

Couple

 

本当に人間は自分に似た人を好きになるのか

 「人間は自分に似た人を好きになる!」みたいな話をよく聞きますが、そのへんを調べた研究(1)が出ておりました。

 

 

これはプラハ・カレル大学の実験で、 21〜31才の男女120名を対象にしたもの。全員に男女の写真を何枚か見てもらって、どの顔がもっとも魅力的かを採点してもらったんですな。

 

 



自分に似た顔を気に入るかをチェックした

その際、写真にはデジタル補正が加えられて、参加者の顔の特徴を50%ほど混ぜた画像を用意したんだそうな。具体的にはこんな感じ。

 

Fpsyg 07 00869 g001

 

そのうえで、

 

  • どの異性をもっとも魅力的に思うか?
  • 友達として最適なのはどれか?
  • 一晩の相手にしたいのはどれか?
  • 長期的な付き合いをしたいのはどれか?

 

みたいな質問に答えていってもらったんですな。

 

 

顔の好みは現在のステータスに左右される

それで何がわかったかと言いますと、

 

  • いま特定の交際相手がいない人は、「自分に似ていない」相手を選ぶ
  • いま特定のパートナーがいる人は、「自分に似ている」相手を選ぶ
  • 友達にしたいかどうかや、長期的な付き合いの要素は、個人の好みに影響をあたえなかった

 

みたいな感じ。いま彼氏/彼女がいるかどうかで、顔の好みは変わってくるんだそうな。

 

 

顔の好みが変わる進化論的な理由

研究者いわく、

 

この現象は、現在の関係を維持するための戦略なのかもしれない。

 

とのこと。つまり、

 

  • いま交際相手がいない → 自分から遠い遺伝子を探す必要がある → 似てない相手を好きになる
  • いま交際相手がいる → 自分の遺伝子に近い相手と仲間になったほうが有利 → 似た相手を好きになる

 

みたいなことです。シンプルな顔の好みにも、ちゃんと進化論的な理由があるわけっすな。

 

 

もちろん、この実験は外見だけをチェックしてるんで、内面に関する好みの変化は不明であります。ただし過去のデータでは、

 

 

 って傾向はありまして、このへんも興味深いところ。自分の異性の好みも、進化論ベースで考えてみるとおもしろげであります。

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM