筋トレの小ネタ:ビーツで筋力アップ、ビタミンDで筋力アップ、膝サポーター意味ある?
筋トレに役立ちそうな細かいデータがいろいろ出てたんで、ひとつのエントリとしてまとめておきます。
ビーツジュースで筋力とパワーが上がるかも?
ビーツジュースといえば、ついこないだも「頭が良くなるかも?」なんてデータが出てたおもしろいドリンク。ビートルートって野菜から作ったジュースで、とにかく抗酸化作用が高いのがウリであります。
で、新しいデータ(R)は「ビーツジュースで筋力とパワーが上がる!」って結論になってておもしろいです。
これは筋トレ好きな11人の男性を対象にした研究で、まずはみんなのベンチプレスの筋力を計測。そのあとで、
- 70mLのビーツジュースを飲む(400mgの硝酸塩をふくむ)
- ブラセボ用のドリンクを飲む
のどちらかのジュースを飲み、1RM70%の負荷でベンチプレスを2回×2セット行い、パワーと筋力の変化をチェックしたそうな。
で、どんな変化が出たかと言いますと、
- ビーツジュースを飲んだ参加者は、有意に筋トレのスピードがアップ! (0.66± 0.08 m/s vs 0.62 ± 0.08 m/s)
- ビーツジュースを飲んだ参加者のうち63%はパワーが増加(29.9w)
ということで、全体的に筋トレに良い影響が出たみたい。まぁ硝酸塩とパフォーマンスの関係は昔から言われてたんで、この結果には納得な感じであります。ちなみに、硝酸塩については、わざわざビーツジュースを買わずとも葉物野菜をたっぷり食べてれば普通に摂取できますんで、そちらで補っていただくのもありでしょう。
ビタミンDで筋力は上がるのか?
その昔、「ビタミンDで運動のパフォーマンスが上がる!」なんてメタ分析がありましたが、新たに「ビタミンDで筋力は上がるのか?」って問題を調べたデータ(R)が出ておりました。
これは北京体育大学が行ったメタ分析で、アスリートを対象にした先行研究のデータだけをまとめてくれております。具体的なスポーツの内容は、テコンドー、サッカー、柔道、ラグビー、サッカーなどで、トータルの選手は80人。そのうち49人はベンチプレスのデータを使い、31人はレッグエクステンションのデータを使ったそうな。
使ったサプリはビタミンD3のみで、1回あたり3570〜18750IUを服用。実験期間は1〜12週間ぐらいの幅に広がっております。
でもって、分析の結果はこんな感じになりました。
- 筋力アップについては、ビタミンD3サプリは(わずかながら)良い影響が見られた(効果量0.2ぐらい)
- ただし、ビタミンDで良い影響が出たのは、ベースラインのビタミンDレベルが低い場合のみだった
ということで、基本的にはちょっとだけ良い結果は得られるものの、それはもともとビタミンDが足りてない場合に限るのではないか、と。非常によくわかる結論ですね。
とりあえず、現代ではビタミンDが足りてない人が多いので、心当たりがあれば血液検査などでお確かめください。
最後はセントラル・ランカシャー大学の研究(R)で、「膝サポーターってどれぐらい意味あるの?」って問題について調べてくれております。筋トレの際に↓みたいなアイテムを使う人を見かけますが、あれはどれぐらい効くのか?って問題ですね。
これは15人の男性を対象にしたテストで、最低でも2年の筋トレ歴がある人だけを選んだそうな。実験デザインがどんな感じだったかと言いますと、
みたいになってます。膝をいろんな形でサポートしてみて、本当に筋トレがはかどるかを調べたわけっすね。
でもって、結果がどうだったかと言いますと、
- 膝サポーターを使うと、みんなスクワットのスピードが速くなった
- 膝サポーターは筋肉の力を減少させた
- 膝サポーターを使うと主観的な不快感は高まるが、実際の安定性は増加する
- 膝スリーブは快適さと安定性を増加させ、筋力には影響を与えなかった
だったそうで、もしかして膝サポーターは長期的な筋肉の発達には良くないのかも?と思わせる結果になっております(もちろんこのデータだけだと判断はむずいんだけど)。
いっぽうでスリーブ系のサポーターには目立った欠点もないみたいなんで、もしヒザに違和感があるような方は、スリーブを使ってみるのはありなのかもですねー。