有酸素運動+ビタミンD3の組み合わせで、謎の筋肉痛と人生の質が改善するかも?
もうすぐ「ビタミンD系のサプリ」を発売するからってわけでもないんですが、また新たに「運動+ビタミンDで謎の筋肉痛が改善して、人生の質が上がるのでは?(条件つきで)」みたいなデータ(R)が出てて勉強になりました。
これはカイロ大学などの実験で、
- 謎の筋肉痛に悩む女性60人に協力をお願いする
- 全体を3つのグループにわけ、(1)有酸素運動+ビタミンD、(2)ビタミンDだけ飲む、(3)有酸素運動だけをする、って感じで割り振る
- その後、筋肉痛の症状やら幸福度の変化を調べる
みたいになってます。参加者の年齢は30~40歳で、BMI30.0~34.9ぐらいってことで、なかなかの肥満体っすね。血中のビタミンDが正常値よりも低い人だけを選び、リウマチやら心肺の障害みたいに、はっきりした問題を抱えた人は除外したそうな。
謎の筋肉痛ってのは、その名のとおり明確な原因がないけど、なんだかいつも筋肉がシクシクと痛むような状態のことで、不健康なライフスタイルを送る人に起きがちな現象であります。肥満やら栄養不足やらいろんな理由で発生するとは言われてるものの、ハッキリしたところは不明であります。風邪を引いて筋肉が痛んだような経験は誰にでもありましょうが、あの状態がいつも続く感じっすね。辛いですなぁ。
また、その他のポイントについてまとめておきますと、
- ビタミンD3の摂取量は週に50,000IUほど
- 毎日の摂取カロリーは、維持カロリー(体重を保つのに必要なカロリー)から500kcal引いた分を目指す
- 有酸素運動は、最大心拍数の70%ぐらいの負荷で5分間サイクリングを行い、そこから50%に負荷まで減らした後で40分間行う
みたいになってます。週に50,000IUのビタミンD3ってかなりの量な気がしますけど、まぁビタミンD3不足な人だったらありかな……。
でもって、その後で参加者にいろんなテストを指示まして、例えば12分のウォーキングを指示したり、筋肉痛の変化を主観でチェックしてもらったり、人生の満足度をチェックしたりといったテストを行ったところ、結果はこんな感じになりました。
- 有酸素運動+ビタミンDグループが、もっともBMIが低下していた
- すべての参加者で痛みが改善したが、もっとも改善レベルが大きかったのは有酸素運動+ビタミンDグループだった。ただし、ビタミンDだけ飲んだグループと比べた場合に、統計的な有意差はなかった
- ウォーキングの能力は、有酸素運動+ビタミンDと有酸素運動だけのグループで改善、ビタミンDだけの場合は改善しなかった
- 人生の満足度については、有酸素運動+ビタミンDが心と体の幸せが有意に改善していた。運動だけをしたグループは、精神的な満足度だけが高くなっていた。ビタミンDだけを飲んだ場合には改善が見られなかった
ということで、全体的に見れば「有酸素運動+ビタミンD」の組み合わせは、謎の筋肉痛を改善したうえに、生活の質もアップしてくれるみたいな気がするわけです。
もちろん、ご覧のとおり、この実験はかなり限定的な状況で行われてまして、
- 肥満で謎の筋肉痛に悩む女性だけを対象にしている(なので、標準体重の男性に意味があるかはわからない)
- もともとビタミンDが足りない人を対象にしている(なので、ビタミンDが足りてたら意味がないかもしれない)
- 栄養バランスが取れたカロリー制限も合わせて実践している(なので、栄養バランスが整ったのと、肥満が改善したことの影響も大きそうな気がする)
ってあたりはご注意ください。まぁ運動とビタミンDがどちらも重要なのはわかりきった話なので、両者を組み合わせたてみるのは十分アリだろうとは思ってますが。