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仕事と人生をゲーム化してパフォーマンスを上げる「ゲーミフィケーション」の実践ポイントと注意点

 

以前に取り上げた変わる方法(How to Change)」って本は、有名行動科学者のケイティ・ミルクマン先生が「いかに前向きな変化を起こすか?」をまとめた有用な1冊でありました。

 

 

前回は「誘引バンドル」をチェックしてみましたが、今回もその続きで「ゲーミフィケーション」について触れたパートがおもしろかったので、個人的に勉強になったポイントをメモしておきます。ゲーミフィケーションってのは、名前のとおり日常にゲーム要素を取り入れる手法のことで、レベルアップやリーダーズボードなどの要素を使って退屈なタスクを楽しくさせよう!みたいな発想にもとづいてます。総合的な解説書としては、「スーパーベターになろう! 」などが有名じゃないかと。

 

 

ゲーミフィケーションの使用例

で、ゲーミフィケーションに関するポイントはこんな感じになります。

 

  • 経済学者のヤナ・ガルスが「ウィキペディア」を対象に行なった調査では、「努力した編集者に星を与える」って制度を導入したところ、自分の努力を認めてもらったボランティアは、自分の仕事を認めてもらえなかったボランティアに比べて、翌月にウィキペディアでボランティアをする可能性が20%高かった

 

  • さらに、星を与えられたボランティアは、それ以外のボランティアより1年後もボランティアを続けている人が13%多かった

 

  • その他のゲーミフィケーションの例としては、IT系企業のシスコ社は、研修生が認定クラスで違うレベルに到達すると、報酬としてバッジを提供する仕組みを使っている

 

  • マイクロソフト社は、製品の言語翻訳をゲーム化するためにリーダーボードを作成している

 

  • SAP社は、社員にバッジを与え営業成績に応じてリーダーボードに載せるゲームを運用している

 

 

ゲーミフィケーションが機能しない事例

かように現在では各社がゲーミフィケーションを導入してるわけですが、ミルクマン博士いわく「ゲーム化」が裏目に出ることがあるとのこと。引き続きそのあたりを見てみましょう。

 

  • ミルクマン博士が行なったテストでは、割引クーポンのセールスマンを対象に、「取引を成立させるとポイントが加算される」「売り場の巨大スクリーンに成績優秀者の名前が表示」「ゲームが終わると勝者にはシャンパンが贈られる」といった施策を行なったが、特に営業成績は上がらず、営業マンのモチベーションも改善されなかった

 

  • データをさらに詳しく調べてみると、上記のゲーミフィケーションに「子供だまし」や「馬鹿げている」「操られている」と感じていた営業の担当者は、ゲームが導入された後で、逆に仕事に対して悪い印象を持ち、営業成績もわずかに低下した。いっぽうで、ゲームに完全に賛同した営業担当者は仕事に対して明るくなった。おそらく、ゲーミフィケーションは、雇用主が「強制的な楽しみ」として提示した場合にはメリットが得られないのかもしれない

 

  • 従業員がゲーミフィケーションに参加したいと思わない場合、マネージャーはシンプルに「もっと職場環境を楽しくする」ほうに力を入れたほうが良い。例えば、社内に卓球台やバレーボールコートを置いたGoogle、「従業員に1万ドルの予算を与えてワークスペースを装飾してOK」と伝えるAsana社、社内で犬を雇用するThe Farmer's Dog社などが代表例である

 

 

ってことで、話をざっくりまとめてみると、

 

  • ゲーミフィケーションを行うには、「何らかの象徴的な報酬(バッジみたいな)」や「競争意識の確認(ポイント性やリーダーボードなど)」を使うのが基本

 

  • ただし、あまりにバカらしく見えちゃうゲーミフィケーション(会社を「ここは最高の遊び場だ!」と名付けたりとか)は、逆にパフフォーマンスを下げてしまうので、「自分にとって説得力があるゲーム化は?」と考えてみると良さそう

 

 

みたいになりますかね。「自分の感覚にしっくりくるゲーミフィケーションを選ぼうぜ!」ってのは、当たり前っちゃ当たり前なんですが、意外と語られないポイントかもしれないですね〜。


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