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恋愛がうまく行かない人の定番パターンを、元グーグルの行動学者さんが語っておられます

 
 

ひとりで死なない方法(How to Not Die Alone)」って方法をチビチビ読んでおります。タイトルだけ見ると孤独死の本のようにも思えますが、要は科学をベースにした恋愛本です。

 

 

著者のローガン先生はグーグルの行動科学チームに所属してた学者さんで、今は「ヒンジ」ってマッチングアプリのディレクターをやってるんだそうな。すごいですなぁ。

 

 

で、まだざっと読んだだけなんですが、いろいろとおもしろいポイントが出てたんで、そこを軽くメモっておきます。

 

 

  • 本書では、「恋愛がうまく行かない人のパターンは3つに分けられる!」と提案し、ロマンティシスト、マキシマイザー、ヘジテーターに分類している。それぞれを具体的に説明すると、こんな感じ。


    • ロマンチスト:人間関係に非現実的な期待を抱いているタイプで、ソウルメイトとか恋愛小説に出てくるような幸せな関係を望んでいる。いわゆる恋に恋をするタイプ。「自分が独り身なのは、まだふさわしい人に出会っていないからだ!」と考えており、最高の恋愛は待っていれば訪れると考えがちなので、パートナー探しに対して何の努力もしないケースが多く、それゆえに恋愛がうまくいかない。

    • マキシマイザー:恋愛の相手に非現実的な高望みをするタイプ。リサーチが好きで、あらゆる選択肢を探り、「ベストな相手を見つけた!」と確信できるまで探しまくり、慎重に決断を下す。何かを選択する前に100%の確信を欲しがり、それゆえに恋愛がうまくいかない。

    • ヘジテーター:自分に対して非現実的な期待をしており、「まだなりたい自分になれていないから……」や「忙しい」といった理由をつけて、恋愛にふみだそうとしないタイプ。自分を高い水準で見ているせいで、新しいプロジェクトを始める前に、完全に準備が整っていることを確認したい気持ちが強く、それゆえに恋愛がうまくいかない。

 

 

 

  • 自分が以上の3パターンのどれかに当てはまる場合は、次のような改善策が考えられる。


    • ロマンスチストは、とにかくマインドセットを変える必要がある。ロマンチストは「出会いは待っていればやってくる」と無意識に思っているので、「出会いは自ら動かねばなんともならん!」と自分に言い聞かせることが大事。


    • マキシマイザーは、ことあるごとに相手のスペックをチェックしまくる傾向があるので、特定の相手とデートをしたら、その後ので以下のポイントをチェックするように心がける。

      • 1. その相手は、私のどんな良い部分をを引き出してくれただろうか? 逆に悪い面を刺激しなかっただろうか?

        2. その相手といるとき、私のどう反応していただろうか? 緊張していたか? リラックスしていたか?

        3. その相手とデートした後、私は以前よりも元気になっただろうか?

        4. その相手のことを、もっと知りたいと思うようなところはあっただろうか?

        5. その相手といるとき、私の笑顔は増えただろうか?

        6. その相手は、私の話を聞いてくれただろうか?

        7. その相手の前で、私は自分のことを魅力的な人間だと感じられただろうか?

        8. その相手に私は魅了されていただろうか? それとも飽きていただろうか?

    • ヘジテーターは、シンプルにまずは誰かとデートをしてみるしかない。具体的にはデートをするまでの期限を決めるのがよく、今から3週間後ぐらいまでと設定するのがよい。また、その際は 親しい友人や家族のうち2~3人に、「ガチでデートを考えている!」と伝え、期限を共有する。

      多くの企業は、新しいプロダクトを出す場合、最初から凝りまくったものを出すのではなく、まずはギリギリちゃんと機能するレベルの商品を市場に出して顧客の反応を確認して改良を加えていく。デートもそれと同じことなので、とっとと製品テストを行いつつ、そのフィードバックをもとに自分のパートナー選びを改良するほうがよい。

 

 

  • 最適なパートナーを見つけるには何人とデートをすれば良いのかという問題については、「37%ルールはやっぱり使えるんじゃない?」って提案がなされている。これは数学的に確認された法則で、たとえばあなたが100人の相手とデートする場合は、最初の37人をすべて不採用にしたうえで、その37人のなかで最高の候補者をベンチマークとして記憶しておく。そこからさらにデートを続けていき、次にそのベンチマークと同じか、それよりも優れている人を見つけたら、その相手が最適なパートナーだと判断できる。

    この理論を応用すると、もしあなたが18〜40歳までのあいだに一定のペースで新しい相手とデートをくり返した場合は、だいたい26.1歳あたりで37%に達する。つまり、26.1歳までに知り合った相手のなかでベストな人をベンチマークにしておき、26.1歳を過ぎた後は、そのベンチマークと同じかさらに優れている人をパートナーに選べば良い(ただし、このシナリオには、年と取って好みのタイプが変わるケースは考慮されていない)。

 

 

ってことで、ここでは「恋愛がうまく行かない人のパターン」と「37%ルール」について触れてみました。「37%ルール」は「アルゴリズム思考術」などにも出てきた定番のネタでして、実際に人生のパートナー選びに使えるかと言われれば心もとない気もしますけど、物を買うときとか人生の決断をするときに、数学的に安全なスタート地点として考慮しとくと良さそうっすね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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