2024年3月版「頭が良くなる」かもしれない食品4選
いろいろ調べてたら、脳に関する研究がいくつかたまってきたので、ここらへんでまとめて放出しときます。
1日にコーヒーを何杯飲めば脳が守られるのか?
コーヒーでアルツハイマーのリスクが下がる!という、観察研究のメタ分析(R)が出ておりました。さすがコーヒーは相変わらずの健康飲料ぶりですね。
これは6,121人のデータをまとめたメタ分析で、11の観察研究を精査しております。ここには日本で行われた研究も1件入ってまして、いろいろ参考になるんじゃないでしょうか。
調査の内容としては、みんなのコーヒーの消費量をアンケートで評価させ、これをアルツハイマーのリスクと比較したんだそうな。このデータには、カフェイン入りコーヒー、カフェインレス、またはその両方を飲む人のデータがごっちゃになっております。
その結果、コーヒーを飲まない人と比べて、1日1〜2杯のコーヒーを飲む人はアルツハイマー病のリスクが32%低かったとのこと。それ以上のコーヒーを飲んでも、別にそれ以上はリスクは低下しないらしい。
もちろん、この研究は自己申告制なので、実際のコーヒー摂取量はわからないし、摂取したコーヒーの種類によって結果が変わるのかも評価できないんですけども、とりあえず1日1~2杯のコーヒーを飲んでおくと脳の防御になりそうであります。
カフェイン+テアニンの組みあわせで頭が良くなる?
「カフェイン+テアニンの組みあわせが脳に良い!」って話は昔からあって、私も「パレオフォウス」というサプリを出してたりするわけです。この2つを組みあわせると、カフェインだけを飲むよりも認知機能が上がりやすくなるんですよ。
で、新しいデータ(R)も「カフェイン+テアニン」の話で、22人のカーリング選手を対象に、ランダム化クロスオーバー研究をしてくれております。具体的には、
- プラセボサプリを飲む
- 体重1キログラムあたり6ミリグラムのカフェインを飲む(CAF)
- 体重1キログラムあたり6ミリグラムのテアニンを飲む(THE)
- カフェインとテアニンを飲む(CAF+THE、それぞれ体重1キログラムあたり6ミリグラム)
って4パターンのサプリを飲んでもらい、その60分後に認知機能とカーリングのパフォーマンスをチェックしたらしい。その結果がどうだったかと言いますと、
- プラセボと比べて、カフェイン+テアニンのグループは、ショットのパフォーマンスが向上した。CAF+THEとCAF、CAF+THEとTHEの間に差はなかった。
- 認知テストについては、プラセボと比べて、カフェイン+テアニンのグループは作業への反応時間とエラー率が改善した。カフェイン+テアニンのグループは、カフェインまたはテアニンだけを飲むよりも優れていた。
ってことで、「カフェイン+テアニンは脳機能のブーストに良い!」という、過去の調査を裏づける結果になってますね。まぁこの成分の組み合わせは、普通に緑茶を飲めば摂取できるんで、わざわざサプリを買う必要はないんですが、より大量の成分を使ってみたい方は「パレオフォウス」をどうぞ。
認知機能の低下にイチゴが効く?
「イチゴがちょっとだけ脳に良いかも?」と思わせるデータ(R)が出ておりました。
これは30人(50~65歳、BMI25以上)の男女を対象にした試験で、インスリン抵抗性と認知機能に軽い問題がある人だけを選んだらしい。実験の期間は12週間で、参加者は「1日13gのストロベリーパウダー」(130gの新鮮なストロベリー由来)またはプラセボのいずれかを摂取してもらったんだそうな。
その上で、みんなのメンタルを調べたところ、
- プラセボと比べて、イチゴグループは記憶障害と抑うつ症状のみ改善が見られた。
って結果だったそうな。まー、この研究は、カリフォルニア・ストロベリー委員会からの資金提供を受けてますんで、そこらへんが結果に影響してる可能性もありますが、イチゴにふくまれるアントシアニンが脳に良いって話はわりとあるので、期待はできそうかなーと思ってますが。
ビーツサプリで頭が良くなる?
最後に「ビーツのタブレットが記憶力に効く!」という試験(R)もチェックして起きましょう。
こちらは健康な成人44名(平均33歳)が対象で、このランダム化対照クロスオーバー試験になっております。参加者には、ビーツをベースにしたチュアブルタイプのサプリメント(硝酸塩約45~82.5mg、ビタミンC約200mg、ベタイン約100mg含有)またはプラセボを摂取してもらい、それから90分後に認知のテストをやったんだそうな。
でもって、結果はこんな感じでーす。
- 短期記憶と長期記憶テストの成績は、プラセボと比較して、ビーツのサプリメントを摂取した後に中程度の効果サイズで改善した。
- ビーツサプリメントの摂取は、プラセボよりも口頭単語連想テスト(小さな効果量)の成績向上につながった。
ということで、もしかしたら「ビーツで一時的に脳の機能がアップするかも?」と思わせる結果になってますね。
そのメカニズムは謎の部分も多いものの、おそらくビーツにふくまれる硝酸塩が、口のなかで微生物によって亜硝酸塩に変わり、最終的に体内の一酸化窒素レベルが上昇するのが大きいのではないかと考えられております。一酸化窒素は血管を拡げる働きがあるんで、このおかげで脳の血流も改善し、認知機能が高まるんじゃないかってことですね。
ちなみに、このテストはあくまでタブレットなので、その他のビーツジュースや生ビーツを食べた場合に違いがあるのかは不明であります。ビーツ系のチュアブルサプリと言えば「トータルビーツ」とかが有名なので、運動や仕事の前に食べてみようかしら……。