【質問】瞑想の効果を実感できません。どうすればいいですか?
こんなご質問をいただきました。
瞑想の効果を実感できません。効果を実感するためのコツや具体的な方法があれば教えてください。
ということで、瞑想をしても何も変化を感じられないんだけど、どうすりゃいいのかって問題ですね。
確かに、瞑想ってのは、「健康になる」「集中力が上がる」「ストレスが下がる」みたいに言われてるんですが、どれも長期的な効果なので、短期的に「変化を実感できた!」と思えるのはわりと難しいんですよね。
ただし、65名の大学生を対象にした実験(R)によると、少なからぬ人たちが「瞑想をしてすぐにメリットを実感できた!」と報告してたりもします。この研究では、被験者に、約10-30分の瞑想を約12週間ほど続けてもらってまして、「どんな変化がありました?」と尋ねまくったんだそうな。
その結果、研究チームは、瞑想のメリットを主に8つのカテゴリーに分類しております。
- 注意力・認識の向上(52%の参加者が報告)
- 例: 「全体的な意識の向上」「呼吸に気づく」「他者との会話に集中できる」
- 思考の明確化(47%の参加者が報告)
- 例: 「思考から距離を置くことで、物事がより明確になる」「思考を整理できる」「ケンカの後に頭をクリアにする」
- 思考の質の変化(26%の参加者が報告)
- 例: 「自己と他者への思いやりの増加」「優しい考え方が増える」「受容」「無駄な望みを手放す」
- 落ち着き・リラクゼーション・平和感の増加(24%の参加者が報告)
- 例: 「より落ち着いている」「リラックスしている」「穏やかな自分でいられる」
- 不安・ストレスの減少(20%の参加者が報告)
- 例: 「ストレスが少ない」「ストレスを簡単に乗り越える」「不安のコントロール」
- エネルギー・活力の増加(15%の参加者が報告)
- 例: 「新しいエネルギーを得た」「リフレッシュして一日を迎える準備ができた」「再生の感覚」
- スピリチュアリティ・一体感(4%の参加者が報告)
- 例: 「スピリチュアルな癒しを受けながら瞑想した。非常に瞑想的な経験だった」「一体感」「スピリチュアルな再生」
- その他(18%の参加者が報告)
- 例: 「夜によく眠れる」「話し方が遅くなり、正確になった」「新しいスタート」
って感じで、「なんか注意力が上がったなー」と感じる人が多いみたいですね。このデータだと、瞑想のメリットを全く感じなかった参加者は12.3%だったそうで、何も変化がなかった人もそれなりにいるらしい。あくまで主観的な話なので判断が難しいんですけど、「瞑想を実感できない」って問題は普通のことなのだと言えましょう。
残念ながら、このデータでは「瞑想の効果を実感するには?」って疑問の答えはわからんのですが、これまでの瞑想研究を総合すると、以下のことが言えるんじゃないかなーと思っております。
- 瞑想に期待しない:逆説的なようですが、瞑想を行う際は瞑想に期待しないのがわりと大事。瞑想は一夜にして人生を変えるものではないし、具体的な目標(「瞑想でストレスを減らすぞ!」「瞑想で幸せに!」みたいな)を設定しちゃうと、「あれ?なにも起きてないな?」って感覚のほうに意識が向きやすくなり、実際にメリットを実感できる可能性は低くなるはずであります。ここらへんのメカニズムは、「「ヨロコビ」を追い過ぎて逆に幸福が逃げていく仕組みとは?」と似たようなもんですね。
- 動く瞑想を試す:ヨガ、太極拳、マインドフルストレッチ、歩行瞑想など、動きながら行う瞑想は、身体も同時にリラックスさせてくれるため、ストレスの減少効果は実感しやすいんじゃないでしょうか。普段、座った瞑想しかしていないなら、体を動かす系のテクニックも試してみてくださいませ。
- ストレス下で試す:ネガティブな体験をしたときに、集中的に短い瞑想を行う方法です。人間の体ってのは、数回の深呼吸や短い瞑想を取り入れるだけでも落ち着くものなんで、ストレス下ほど効果を実感しやすいのは間違いないでしょう。これをくり返すと、「あ!瞑想をやると落ち着くぞ!」って感覚を少しずつ脳が覚えますんで、普段の瞑想でも違いを感じられやすくなるんじゃないかと。
- アウトドア瞑想:自然の中で瞑想してみるのも、効果の実感って意味では有効でしょう。自然のなかに身をおくと、たいていの人は、視覚や聴覚、触覚などの感覚が研ぎ澄まされるんで、より深いリラクゼーションを得やすい傾向があるんですよ。個人的にも、自然の音や風景に取り囲まれていたほうが、瞑想を実感できそうな気がしてますね。
くり返しになりますが、現時点で「瞑想の効果を実感する方法」を調べた研究はほぼないので、あくまで上記は私の推測でしかないところはご留意ください。
いずれにせよ、瞑想については、焦らず、リラックスして、自分に合った方法を見つけるのが一番。長い目で見て続けることが大切なので、楽しみながら続けてくださいませ。