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今週の小ネタ:4割の人が“あれ”のせいで集中力が死んでいるぞ!腰痛にはウォーキングが役立つぞ!SNSの使い過ぎで不眠になるぞ!


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

 

4割の人が、“あれ”のせいで集中力が死んでいるぞ!

現代人の40%が常に脱水状態で、注意力がずっと下がっているかもよーって内容のデータ(R)が出ておりました。まぁ小規模な研究なので「現代人の40%」ってところは話半分に聞いていただきたいですが、該当する方もいると思うんで、ぜひ参考にしてくださいませ。

 

これは78人の中高年を対象にした研究で、3カ月間にわたって3回ずつ、みんなの水分補給レベルを測定したんだそうな。そこで何がわかったのかと言いますと、

 

  • 参加者の30%〜40%が脱水状態にあり、認知テストでは注意力が持続的に低下していた。

 

みたいになります。意外なほど多くの人は、日常的に体が必要とする水分をちゃんと摂っておらず、そのせいで目の前の作業に集中して取り組める、ミスが増えているかもしれないわけですね。

 

ちなみに、研究チームいわく、

 

良いニュースとしては、脱水は、持続的な注意を必要とするタスクのパフォーマンス低下としか関連しなかったということだ。

 

とのこと。短期的な記憶力や注意力は脱水でも下がらず、注意力をずっと維持する能力のみ影響を受けるかもしれないみたいっすね。

 

さらに研究チームいわく、

 

高齢者は定期的に水を飲むことが重要だ。仕事中、同僚から延々と送られてくるメールを読んでいるときや、友人とゲームをやっているときなどは、特に水を飲む必要がある。

 

高齢になると、喉の渇きを感じることが少なくなるため、脱水症状に気づきにくくなるので注意してほしい。水分補給と認知能力の関係は、中高年が脱水症状に陥りやすいことを考えると、特に重要である。

 

ということで、特に高齢者の方は、気づかないうちに水分の摂取が足りなくなる可能性があるんで、お気をつけください。知らぬ間の脱水で脳のパフォーマンスが下がっちゃうのはもったいないですからねぇ。

 

 

 

腰痛にはウォーキングが役立つぞ!

しつこい腰痛にはウォーキングだ!」って内容のデータ(R)が出ておりました。腰痛の対策といえば通常は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬物療法がメインなんだけど、ウォーキングにもかなりのポテンシャルがあるみたいなんですな。

 

新しい研究はマッコーリー大学などのチームによるもので、腰痛から回復したばかりの成人701人を1~3年間にわたって追跡調査した労作になってます。このデータを分析して何がわかったのかと言いますと、

 

  • 座っている時間が多い腰痛患者は、3ヵ月に1回のペースで腰痛が再発していた。一方で、定期的にウォーキングをしている参加者は、腰痛が再発するまでの期間が6ヵ月だった。

 

  • 腰痛を再発する人の約70%は、腰痛が再発してから平均112日間ぐらいで、少なくとも1回は腰痛を再発する。しかし、定期的にウォーキングしている人は、平均して208日間連続して痛みがなかった。

 

という感じになります。いつも座っている人たちに比べて、ウォーキングをしまくっている人は、腰痛の再発頻度を減らすのに役立つわけですね。

 

この研究で使用されたプログラムでは、週に5回、少なくとも1回30分は歩くように推奨されてまして、腰痛にお悩みの方は、これぐらいの運動量を目安に実践してみると良いでしょう(もちろん重度の腰痛の方は、担当の医師に相談してからにしてくださいませ)。

 

ウォーキングが腰痛予防に聞く理由はよくわかってませんが、ウォーキングのおかげで適度な振動を体に与えられるのと、脊椎と筋肉がほどよく鍛えられるのと、リラクゼーションとストレス解消効果を得られるのと、エンドルフィンのように気分を改善するホルモンが出るのと、いろんな要素が組み合わさっているんじゃないかと考えられております。非常に低コストで実践も簡単な方法なんで、腰痛にお悩みの方は、ぜひお試しあれ。

 

 

 

SNSの使い過ぎで不眠になるぞ!

SNSの利用時間が長い人ほど悪夢を見る!そのせいで睡眠の質が下がる!みたいなデータ(R)が出ておりました。

 

こちらは600人近くを調べた研究で、「普段どれぐらいSNSをやっているのか?」「悪夢をどれぐらい見ているのか?」といったポイントをチェックしたうえで、それぞれのデータの関係を掘り下げたんだそうな。その結果を端的にまとめてみると、

 

  • SNSをよく使う人ほど、SNSに関連した悪夢を見る傾向が強かった。

 

  • 悪夢を見る回数が多い人ほど、睡眠の質の低下、苦痛、不安が増加していた。

 

  • SNSの悪夢で最も多かったのは、ログインできないことと、他のユーザーと連絡が取れないことだった。

 

 

ってことで、SNSの利用頻度が高ければ高いほど悪夢をよく見て、そのせいで睡眠が妨げられ、心の平穏まで失われちゃう可能性が高くなるわけっすね。

 

研究チームいわく、

 

SNSが私たちの生活と密接に関わるようになるにつれ、その影響は起きている時間を超えて広がり、私たちの夢に影響を与える。

悪夢を見る回数が多いほど、睡眠の質の低下、苦痛、不安の高まりを経験する可能性が高かった。

 

とのこと。ちなみに、SNSによって発生する悪夢には、他にもいろんなパターンがありまして、

 

  • 他のユーザーがいるにもかかわらず、SNS上でコミュニケーションがとれない。
  • 他のユーザーに拒否される
  • SNS上でのセクハラ。
  • SNS上でプライバシーがバラされる。

 

といった内容を見る人が多かったそうです。個人的には、SNSの夢とか1回も見たことがないんですが、心当たりのある方は意識してみると良いかもですね。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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