ディルバートのスコット・アダムスに学ぶ3つの成功法則ーHow to Fail at Almost Everything and Still Win Big
「ディルバート」のスコット・アダムスが書いた「ほぼすべてに失敗して、それでも大きく勝つ方法(How to Fail at Almost Everything and Still Win Big)」を読みました。
スコット・アダムスの半自伝&半自己啓発みたいな本で、ざっくり言えば「成功者が語る成功法則」なんですが、そこは四半世紀にわたってあらゆる現象をおちょくってきた人だけに、ありていな自己啓発へのディスが多くて面白かったです。本書から学べる、スコット・アダムスの教えは以下のとおり。
1・目標設定はクソだ!
目標なんか設定したところで、上手くいってもゴールにたどりつくまでは失敗の連続だし、最悪の場合は失敗しか起きないんだからやめておけ!ってのがスコット・アダムスの考え方。以前に書いた「なぜ目標設定をしても上手くいかないのか?」でも、同じような目標設定の弊害が指摘されてましたな。
で、彼の主張は「目標よりシステムだ!」というもの。
ダイエットでいえば「10キロ落とす」は目標だが、「健康的な食生活」はシステムだ。エクササイズの場合は「マラソンを4時間以内で走りきる」は目標だが、「毎日トレーニングする」はシステム。ビジネスの世界なら「1,000万円を稼ぐ」は目標だが、「起業家であり続ける」はシステムだ。
さらに、「目標」と「システム」の定義はこんな感じ。
「目標」とは、「達成する」か「失敗する」の2択しかない明確なゴールのこと。「システム」とは、定期的に実行できて長期的な幸福度をアップするものだ。
非常にわかりやすいですね。もともと目標設定が苦手な私としては、もちろん大賛成であります。
2・わがままで行け!
社会生活を送っていると、必ず自分の希望と他人からの要求の間で衝突が起こるもの。これに対して、スコット・アダムスの考え方はこんな感じ。
人間には3種類しかいない。
1・わがまま
2・バカ
3・他人のお荷物
これがすべてだ。あなたが選ぶべきは、「わがまま」になること。バカとお荷物は社会にとって誰の役にも立たないからだ。(中略)もし、あなたが正しく「わがまま」を貫けば、それによって社会は恩恵を受ける。成功者は世界に負担をかけないのだ。
言葉はキツいですが、かなり真っ当なことを言っております。でもって、彼の考える「わがまま」の中身はさらにまとも。
もっとも大事な「わがまま」は、健康に時間を使うこと、正しい食生活、仕事を追求すること、家族や友人と良い時間を過ごすことだ。これらの要素を無視すると、あなたは2番目の人類(バカ)に成り下がり、社会のお荷物まではあと一步だ。
なんつーか、皮肉屋が最終的に良いことを言うと真実味が増すという典型例ですね(笑)
3・情熱は追うな!
「情熱を持てる仕事をやれ!」は自己啓発の定番フレーズですが、スコット・アダムスの考え方はこう。
かつて私の上司は「情熱を持ったヤツに金を貸すな」と教えてくれたものだ。例えば、スポーツショップを開こうとしているスポーツファンに金を出してはいけない。
30年にわたって金貸しをやってきた上司に言わせれば、最高の投資相手とは、ズバリ情熱が何もないヤツ。その代わりに、帳簿の数字を良くするためなら死ぬ気で働くタイプの人間が最高だ。
実際、スコット・アダムスにとっては「ディルバート」も情熱が持てる仕事じゃなかったらしい。
私にとって「ディルバート」は金を稼ぐ手段の1つに過ぎなかった。しかし「ディルバート」がヒットし始めると、一気に私の情熱は加速した。あたかも「ディルバート」こそが、私がもっとも情熱を持って始めたプロジェクトのように思えてきたのだ。客観的に見て、情熱のレベルは成功によって動かされる。情熱が成功を呼ぶのではない。成功が情熱を呼ぶのだ。
これは超同感。情熱なんかなくても成功するときはするし、成功したら楽しさが情熱の呼び水になりますからねー。
そんなわけで、他にもいろいろと含蓄の深い言葉が多い本なんですが、長くなりそうなんでいったんここで終了。この本については、もうちょいいろいろ書くかも。