「指1本で腰痛が治る!」は本当か?
「指1本で腰痛が治るよ!」という北斗神拳のような主張をしている記事がありました。
その腰痛の原因は「筋肉の硬さ」かも!? 指1本でできる「疲れない体」の作り方(1/2) | ビジネスジャーナル
なんでも、腰痛の原因は「筋肉の硬さ」が原因なので、指1本を使った「緩消法」で筋肉を緊張状態から解放してやれば体の不調は治るんだ、と。主張してらっしゃるのは腰痛アカデミーの坂戸孝志氏。
坂戸孝志公式サイト 腰痛アカデミー 坂戸孝志 公式サイト 痛みの大革命
どこかで聞いた名前だなーと思ったら、2年前に読んだ「9割の腰痛は自分で治せる」の著者さんでした。で、正直なところ当時から「うさんくさいなー」って印象だったんですが、今回は改めて坂戸さんが「科学的に実証されてるよ!」とおっしゃる以下の論文を読んでみました。
で、結論から言えば、論文としてはかなり無理があるかと。15人の腰痛の患者さんに「緩消法」をやったら筋肉が柔らかくなって自覚症状も減った!というんですが、そりゃ腰をマッサージしたら一時的に腰は柔らかくなるし痛みも減るでしょう。問題なのは、その後もずっと慢性的な腰痛が治ったかどうかなわけで。
しかも、患者の痛みを計る方法が「自己申告」ってのもツラい。患者の自己申告に頼るなら、さらに「別の方法を試した患者さん」と「緩消法を試さなかった患者さん」の2つを用意したうえで効果の比較をしなきゃ、どれだけ統計を取っても無意味だと思うんですが。
さらに、その後で血液検査とか抗酸化能を調べてますけども、これは単に「緩消法をやっても副作用が無かったよ!」と主張するためのものでしかなく、その割には大げさな検査をしたもんですなー、という印象であります。
まぁ実際に「筋肉の硬さ」が腰痛の原因だと実証されたら世界的なビッグニュースなのに、調べた限り海外では何の話題にもなってない時点で推して知るべしと申しますか。
そんなわけで、私の感想はこんなところ。腰痛の世界は恐ろしいですねー(笑)。ちなみに、私の腰痛に対するスタンスは以下の投稿に書いてありますので、気になる方はご参照ください。
参考:腰が痛いのはすべて妄想だ!気にしなきゃ腰痛は治るんだぜ!という話