「糖質をカットすれば気持ちも行動力もアップ!ってホント?」糖質制限で気分が良くなる理由 その1
「糖質制限をすると気分が良くなる!」という話をよく聞きます。
意識がクリアになり、体も軽く
昨日「ここがヘンだよ『マンガで分かる糖質制限』」を書いてたときに、原作者さんのブログでこんな話を見かけまして。
とにかく糖質制限、本当に素晴らしいんです。
ただ「ダイエット」というレベルの話ではありません。
体重がどうとか、スタイルがどうとか、そんな次元ではなく、本当に、「人間が変わった」感じがします。
(中略)
さらに意識がクリアになり、体も軽くなりました。
行動力も、気持ちもずっとアップしている印象です。
これホント、ダイエットとかの域をこえて、人間の生活すべてを変える話じゃないか。
人生のファイナル・アンサーじゃないか。
僕はそんな風に思っています。
意識が1.5倍はクリアになり、体は1.5倍軽くなる。
かけあわせその人の行動力は2.25倍になります。
なんとも、すごいことになっております。
もともと人類の頭は糖質で曇っていた?
いかにもうさん臭い話のようですが、実はわたしも似たような経験をしてまして、数年前にスーパー糖質制限を試してみたところ、妙に頭が晴れた感じになって集中力がグンと上がったんですね。正直、ビビりました。
通常、この現象に関しては、「糖質による血糖値の上下がなくなったから」といった説明がされるようです。「もともと人類の頭は糖質で曇っていたのだ!糖質こわい!」って話ですね。
確かに、低糖質食が不安症やうつ病にって実証データは結構ありまして、くわしくは「糖質制限がダイエット以外にも役に立つパターン」にいろいろ書いております。
また、ブドウ糖と気分の関係を調べた実験もいくつかありまして(1,2)、いずれも糖質をとってから14〜30分で気分が最高になり、2時間後には急激に落ち込んでいくとの結果だったとか。その意味で、血糖値が気分を左右するのは間違いないところ。
長期的には炭水化物をちゃんと食べたほうが気分はよくなる
しかし、長期的にみてみると、「人の気分は糖質で曇る」説はどうもあやしいんですね。
というのも、糖質制限と高炭水化物食が気分に与える影響をくらべた実験では、真逆の結果が出ているんですよね。具体的には、1週間での比較(2)、3週間での比較(2)、6週間での比較(3)、1年間の比較(4)などがありまして、いずれも「炭水化物をちゃんと食べたほうが気分よく暮らせた!」って結果が出ているんですよ。
もちろん、これらの研究は糖質以外の要素(オメガ6や加工食品など)をはぶくのが難しいんで、必ずしも「糖質を摂るほうが気分は良くなる!」とは言えないわけでですが、そのあたりの事情は、糖質制限が不安の解消に効くことを示した実験でも同じこと。
おおまかに見てみれば、
- 短期的(2時間ぐらい)には、血糖値の上下で気分は変化する
- もとから不安やうつ病の症状が大きい人には糖質制限が効く(ただし長期的にはわからない)
- もともと安定した精神状態の人は糖質を食べたほうがいい
って傾向は見て取れそうであります。少なくとも、糖質を処理する機能が正常に働いている人なら、炭水化物で気分が落ち込む可能性は非常に低いかと。
といったところで、長くなったので以下次号。糖質制限で気分が良くなる理由について、さらにくわしく見てみます。