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糖質制限がダイエット以外にも役に立つパターン

Sugar

 

ちょい前に、糖質制限ダイエットの正味な実力について書いたところ、「糖質制限ダイエットの本には、他にもいろんなメリットが書かれてますが、あれは本当ですか?」といったご質問をいただきましたので、今回はその辺をざっくりまとめてみましょう。

 

 

糖質制限はメンタルの安定に効く!

多くの糖質制限ダイエット本によく書かれているのが、「糖質制限は不安や鬱病に効く!」って話。これには一定の証拠がありまして、2004年の論文(1)では、ケトジェニックダイエット(スーパー糖質制限)に抗うつ薬と同じレベルの効果が認められたとか。また、他の実験でも、糖質制限で攻撃性、恐怖心、精神の不安定が解消してQOL(人生の質)が上がったなんてデータがいろいろと出ております(2,3,4)。

 

 

とはいえ、一方では「長期の糖質制限では気分が落ち込む!」ってデータ(5,6)もあるので油断は禁物。このあたりは個人差も大きいところでして、実際にわたしもスーパー糖質制限でテンションが激しく下がった経験がございます。このあたりは、「適切に炭水化物を食べて痩せるための4ステップ」などを参考に、自分にあった糖質量を探ってみるとよいかと思います。

 

 

糖質制限は神経系の不調に効く!

糖質制限には、減量の他にもいくつかの効果が確認されてまして、その代表例が神経系の不調であります。というか、そもそもケトジェニックダイエットは、1900年初頭からてんかん治療に使われてきた手法なんで、実はこっちの使い方のほうが歴史が深いんですね。

 

 

研究例もやたら豊富で、ケトジェニックダイエットはパーキンソン病やアルツハイマー、ALS、認知症なんかにも効く模様(7,8,9,10)。特にアルツハイマーについては、近ごろは糖代謝の異常が原因だって見方もありまして(11)、糖質制限が効くのも納得といったところです。

 

 

もっとも、かといって極端な糖質制限がアルツハイマーや認知症を予防するといった保証はないのでご注意を。あくまでも、いったん神経系に不調をきたした人には効果があるって話であります。

 

 

糖質制限はお腹の張りや膨張感に効く!

お腹の張りや膨張感の大きな原因の1つが、小腸のなかで悪い菌が増殖しまくる「SIBO(サイボ)」って症状。これは糖質をエサに増えていくんで、糖質制限で菌を減らせるわけですね。また、これは胃酸の逆流なんかにも効果を発揮します。

 

 

糖質制限はガンに効く!…かはわからない

 一部の糖質制限本では、「ガンにも効果があるよ!」なんて話を見かけたりします。ガン細胞は糖質をエサにするので、これをカットすればガンが広がらないって理屈でして、海外ではガン治療のために糖質制限を使っているお医者さんも少なくないとか(12)。

 

 

研究例もいくつかありまして、脳のガンに効果が出たとか(13)、進行中のガンを抑制した(14)なんて話もチラホラ。ただし、その一方では「なんの変化もなかったよ!」ってデータ(15)もありまして、このあたりは結論が出せない感じ。まぁ、血糖のコントロールがガン予防になるのは間違いないとは思いますが、ガン治療に効くかはまだまだデータ不足といったところです。

 

 

まとめ

そんなわけで、糖質制限はダイエット以外にもいろいろメリットがあるよーってお話でした。とはいえ、スーパー糖質制限を長く続けると、やはりいろんなデメリット()()()も出てきますんで、その辺はバランスを見てご利用くださいませ。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。