テトリスで嫌な記憶がよみがえる回数を減らせるそうだ
誰にでも嫌な記憶の1つや2つはあるもんですが、忘れられずに頭のなかで何度もくり返していると、うつ病の根本原因と言われる「反すう思考」におちいっちゃう可能性が大。しかし、新たに出た論文(1)によれば、テトリスをプレイするだけで、嫌な記憶がよみがってくる現象を減らせるらしい。
これはケンブリッジとオックスフォードの研究者による実験で、まずは52人の参加者たちにイヤ〜な映像(人が死んだりとかケガをしたりとか)を12分ほど見てもらったんですね。
その翌日、今度は全員に映像から抜き出した写真を見てもらい、イヤな記憶が再生しやすいように調整。続いて10分の休憩をはさんで、参加者たちの半数にはテトリスで遊んでもらったんだそうな。
さらに翌週、全員に対して「実験後に嫌な映像が浮かんだかどうか?」を調べたところ、テトリスをプレイした参加者は、あきらかに記憶のフラッシュバックが少なかったらしい。
研究者いわく、
けっして嫌な映像の記憶そのものが消えたわけではない。しかし、自分が意図せずに嫌な記憶よみがってくる現象はおさまったのだ。
とのこと。 ちなみに、2010年にも似たような実験(2)が行われてまして、なんでも嫌なことが起きてから6時間以内にテトリスを遊びまくると、その後、トラウマが脳に定着する確率が減るんだそうな。この研究者は、テトリスを「認知のワクチン」と呼んでおります。
こういった現象が起きるのは、テトリスがワーキングメモリを占有し、嫌な記憶が脳に刻み込まれるのをブロックするのが原因らしい。以前に「テトリスを3分プレイするだけでダイエットができる」って話もありましたが、これも脳の処理能力を一時的に他のことに使うのがポイントでした。
そんなわけで、嫌なことがあったときは、
- できるだけ速くテトリス(または自分が集中しやすいゲーム)で遊ぶ
- すでに嫌なことが起きてしまったときは、フラッシュバックのたびにテトリスをして記憶の定着をふせぐ
といった感じでしょうか。とりあえずiPhoneにテトリスを入れておくか…。
credit: JARED CHERUP/FLICKR (CC BY-NC-ND 2.0)