運動不足でも運動しすぎでも体は老化する!それでは、わたしたちはどれだけ運動すればいいのか?
「過ぎたるは及ばざるがごとし!」ということで、当然ながらエクササイズもやりすぎはよくないわけです。運動のしすぎが体にあたえるダメージについては「運動のしすぎ+糖質制限は超体に悪いのでご注意ください」でも軽く書いてますが、ざっくりいえば下のU字型曲線みたいなイメージ。
ある程度までは、運動で得られる健康のメリットは上がり続けていくんだけど、最適量を超えたあたりから逆に効果は減っていきまして、ストレスホルモンや酸化ダメージの影響で逆に体は老化し始めちゃう。おおこわ。
そんなわけで、せっかく運動をするなら、自分にとっての最適レベルを探すのが吉。といっても難しいので、ここでは簡単なガイドラインをまとめておきます。
運動が嫌いなら1日15分の散歩でも十分
まずは運動が嫌いな人のために、健康に必要な「最小限」のエクササイズ量について。これについては2011年に台湾で行われた研究(1)がとても参考になります。
これは、41万人の健康調査を使った大規模な研究で、1996〜2008年までの長期にわたるデータを処理したもの。もちろん、飲酒・喫煙・仕事といった変数はちゃんと調整されております。で、その結果は、
- 1日にたった15分の運動で十分!
だったそうな。それだけの運動量でも、心疾患やガンといったすべての死亡リスクがグンと減るんだとか。しかも、その15分はHIITみたいなハードなエクササイズじゃなくて、シンプルにウォーキングをするだけでOKとのこと。これはラクでいいですねー。
運動のメリットを最大化したいなら軽い運動を90分まで
ただし、これはあくまで「最低ライン」でして、運動から最大限のメリットを引き出すためには、もうちょい体を動かす必要はあります。
再び台湾の研究を引用すると、
- 1日15分の軽い運動でメリットが出始める
- 軽い運動が1日90分を超えたあたりからメリットは消え始める
- 激しい運動の場合は、1日40分を超えたあたりでメリットが消え始める
といった感じ。たとえばウォーキングだったら、だいたい1日に1万〜1万5000歩を目指せばメリットは最大化できるわけですね。
ちなみに、ほかにも興味深いのが2003年の論文(2)。運動の初心者を対象に、1年かけて全員をマラソンランナーに鍛えあげたらどうなるかを試したおもしろい研究でして、その結果は、
- 1日25〜30分の激しい運動で心臓や血管の働きはマックスになる!
といった感じ。これ以上を過ぎると、なんのメリットもなくなるどころか、身体へのダメージが増えていくんだそうな。ジョギングと死亡率の関係を調べた2015年の研究(3)でも似たような結果が出てまして、
- ジョギングの効果を最大化したいなら、1回30〜60分のスローペースなジョギングを週2〜3回までがリミット!
って結論らしい。このガイドラインを超えて走っちゃってる方は、ちょっとご注意ください。
まとめ
以上の話をまとめますと、
- 運動嫌いなら1日15分の散歩!
- 運動のメリットを最大限に引き出すなら1日90分のウォーキング!
- 運動の時間を短縮したいならHIITのようなハードなエクササイズを1日30分!
といった感じです。これ以上の時間を運動に費やした場合に起きるデメリットについては、
などをご参照ください。まぁ、なんやかんや言ってきましたが、要は「ウォーキング最強!」ってことで。
credit: Magdalena Roeseler