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自分の脳をダマして、他人の意見に素直に心を開かせるテクニック

Advice

 

他人から「運動をしよう!」とか「野菜を食べよう!」とか言われても、なかなか素直に実践できないのが人間であります。

 

 

が、幸せな選択、不幸な選択」のポール・ドーラン博士によれば、自分より他人の判断のほうが正しいケースは意外なほど多いんだとか。どうしても自分の判断にはバイアスがつきまとうんで、結局は他人の意見を聞いちゃったほうが速い場面は少なくないんですな。5才の段階で他人の意見を聞けた子どものほうが、大人になってから成功しやすいってデータもありますしね、

 

 

そこでちょっと面白いのが近ごろ出てた論文(1)。他人の意見を素直に受け入れられないときは、個人的に大事にしてるものに意識を集中するといいんだそうな。



 

これはペンシルバニア大の実験で、参加者たちに医者から健康に関するアドバイスを受けてもらったんだそうな。その際、全員を2つのグループにわけて、

 

  1. アドバイスを聞くまえに自分にとって大事なもの(家族でも仕事でも宗教でもペットでも何でもOK)について考える
  2. 何も考えずにアドバイスを聞く

 

といった内容を指示。さらに全員の脳をスキャンにかけたらしい。

 

 

その結果、大事なものを考えたグループは、

 

  • 脳の前頭葉内側面が活性化していた
  • 実験から1か月後も医師のアドバイスを守り続けていた

 

といった傾向が強かったらしい。なんでも、脳の前頭葉内側面は「自分に関する情報」を処理するエリアだそうで、ここが活性化したのは医師のアドバイスを腹の底から受け止めた証拠なんだとか。

 

 

つまり、

 

  1. 自分が大事なものについて考える
  2. 脳の「自分に関する情報処理」機能が活性化
  3. その状態で他人のアドバイスを聞く
  4. 他人のアドバイスが我が事として感じられる

 

って流れですね。脳を軽くダマしてるわけですな。

 

 

研究者いわく、

 

今回の発見は、コアバリューについて考えるだけでも、平凡なメッセージに対する脳の反応を根本的に変えられることを示している。長期的に見れば、これは人生に大きな違いをもたらすだろう。

 

とのこと。健康のアドバイスだけでなく、貯金や仕事の進め方など、幅広く使えそうな方法ですねぇ。

 

 

Image credit: shutterstock


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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