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シャワーや風呂の塩素は飲料水よりヤバい!? アレルギーを悪化させないための塩素対策ガイド

Shower

ご存じのとおり、塩素は水道水の殺菌に使われる化学物質。「水道水の塩素がヤバイ!」って話は昔からありまして、浄水器メーカーのサイトを見るといかにも怖そうな煽り文句がならんでおります。


日本の規制値は厳しいので基本的は心配しなくてOKに 
ちょっと怖めなデータもいろいろありまして、

  • 1992年のメタ解析では、「塩素消毒された水は膀胱がんと直腸がんのリスクを高めるよ!」って結論(1)
  • 2003年の実験では、プールから気化した塩素を吸い込んだ参加者に喘息の兆候が見られた(2)
  • 2000年のレビュー論文では、水道水の塩素から出る活性酸素が免疫系を弱めるって指摘が(3)

などなど。しかし、ここで重要なのは全体の摂取量でして、WHOなんかは「細菌汚染の危険にくらべれば塩素のリスクなんて超低いよ!」って結論であります(4)。確かに日本の水道水にふくまれる塩素はWHOの基準値よりもかなり低いんで、そんなに騒ぐもんでもないんだろうなーとは思うわけです。



アレルギー持ちには注意が必要かも
ただし、個人的に気になってるのが腸内細菌への影響。 当ブログでは腸内細菌の重要性について何度も触れてますが、塩素って腸内環境によろしくないんじゃなかろうか、と。実際、塩素に腸内細菌を殺す作用があるのは間違いなく(5)、塩素入りの水を飲んだマウスの免疫力が下がったって実験もあったりとか(6)。


もちろん、この問題についてはヒトを使った実験がないもんで、あくまで可能性の話であります。腸内環境の悪化は免疫の暴走を引き起こすので、わたしのようなアレルギー体質の方は心に留めたほうがよいかも。


水道水よりシャワーと風呂が問題
その対策としては、水道水に関しては浄水器を使えば問題ありませんが、困っちゃうのがシャワーや風呂であります。


2006年の調査(7)によれば、塩素から出るトリハロメタンなどの有害物質は、飲料水よりもシャワーや風呂のほうが体内に吸収されやすいんだそうな。塩素は気化しやすいんで、口から入ってすぐに血管に入り込んじゃうんですね。


実際、飲料水よりも風呂・シャワー・プールから塩素を取り込んだほうが、がんの発症率も高いってデータ(8)もあったりして、水道水に浄水器をつけるだけじゃ追っつかなそう。


手軽な方法としてはビタミンCがベスト
そんなこんなで、手軽な対策としておすすめなのがビタミンCであります。ビタミンCには塩素を中和する作用がありまして、平均的なサイズの風呂なら1gのビタミンCで塩素を除去できるんですな(9)。


Amazonなら1kgのビタミンCが安価で買えるんで、こいつを使えば1回の風呂につき1.5円で塩素を取り除けちゃう。手ごろでよろしいですねぇ。

 
また、シャワーに関してはビタミンCを使った浄水器ヘッド(http://amzn.to/2tbIHQE)がいろいろ出てますんで、こちらを使ってみるといいかも。たいていは専用のビタミンCボトルとセットなんですが、どれも高価なんで1kgのビタミンCパウダーを代わりに使えば安上がりかと思います。


まとめ
くり返しになりますけど、塩素と腸内細菌の問題はヒトでは実証されておらず、あくまで「気をつけたほうがいいんじゃないかな〜」ぐらいの話です。塩素の耐性には個人差も大きいでしょうから、「ビタミンCを入れた風呂」と「通常の風呂」に入ってみて、皮膚にどんな反応が出るかと試してみるのもいいかもです。


Image credit: shutterstock

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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