痩せるオイル?CLAとMCTで食欲はどこまで減るのか?問題
昔から「痩せるオイル!」と呼ばれる 商品が2つあります。共役リノール酸(CLA)とMCTオイルの2つです。CLAは昔からダイエットサプリとして有名だし、MCTは専門のダイエット本も出てるぐらい。
その真偽については賛否あるわけですが、近ごろ「2つのオイルで食欲は減るの?」ってあたりを調べたデータ(1)が出ておりました。
これはオックスフォード・ブルックス大学の実験で、まずは19名の男女に12時間のプチ断食をしてもらったあで、以下の3グループにわけたんですね。
- スムージーに5gの共役リノール酸を入れて飲む
- スムージーに25gのMCTオイルを入れて飲む
- スムージーに22gの植物油を入れて飲む
スムージーの容量はいずれも250mlで123kcal。タンパク質はほとんど入っておりません。
で、30分後にみんなの満腹感と空腹感をチェックし、さらにその後の食事を好きなだけ食べてもらったところ、
- 植物油グループにくらべて、
- CLAグループは1日の総摂取カロリーが541kcal減った
- MCTオイルグループは1日の総摂取カロリーが594kcal減った
- 特にMCTオイルグループは、1回の食事から次の食事を食べ始めるまでの時間が長かった
みたいな感じだったらしい。CLAとMCTを飲んだら、摂取カロリーが自然に1日500kcal以上も減ったわけですね。うーん、すごい。
こういった現象が起きる理由としては、昔から「MCTやCLAは他の脂肪よりエネルギーになりやすいから満足感が高い!」といった説明がなされております。「ココナッツオイルで痩せる!」って話も、同じ仮説をベースにしてるはず(ココナッツオイルの主成分はMCTなので)。
ただし、この実験には難点もありまして、
- 参加者のカロリーが「食事日記」をベースにしてるんで、正確性にはかなり疑問。過去のデータをみても、オイルを飲むだけで500kcal以上も減るとは思いにくい。
- MCTとCLAには「お腹の調子を崩しやすい」って副作用も昔から報告されてるので(2)、たんにオイルで気分が悪くなって食欲が減った可能性も否定はできない。
- 食事の満足度のチェックでは、すべての参加者に差がみられなかった。
みたいな感じ。こういった問題があるんで、個人的には「オイルを飲んで痩せましょう!」とは言いづらいですかねぇ。
また、当ブログで過去に取り上げた例でいうと、
なんて話もあったりします。
その意味では、どちらもダイエットに優しいオイルなのは間違いないんですが、同時に「植物油の代わりにCLAかMCTオイルを使った場合に限る」 って条件がついてるのがポイント。いままで植物油の使用量が多かった人が代わりにCLAやMCTを使うのはアリだけど、わざわざ追加で飲むのはオススメできないんじゃないか、と。
特にCLAに関しては反すう動物の肉に多くふくまれてますんで、普通に食事からとったほうが吉。サプリは質が悪いケースが多いため、個人的にはオススメしておりません。どうぞよしなに。