「共役リノール酸」には本当にダイエット効果があるのか?
共役リノール酸のダイエット効果に関するご質問をいただきました。要点を抜粋しますと、
共役リノール酸も定番のサプリメントだと思いますが、どのように思われますか?
とのこと。共役リノール酸は、植物性の油や乳製品などにふくまれる不飽和脂肪酸の一種で、脂肪を燃やす効果が高いと言われております。DHCからもサプリが出てまして、世界でもトッププラスのダイエット商品なんですな。では、いつも通りデータを見てみましょうー。
間違いなく体脂肪を減らす効果はある
共役リノール酸は、かなりリサーチが進んでる成分でして、もっとも大規模なのが2007年の論文(1)。過去のデータを洗い直した研究で、共役リノール酸を飲んだ被験者は、以下のペースで体脂肪が減っていったらしい。
ざっくり言って、だいたい週に0.1キロずつ体脂肪が減っております。ただし、このペースが続くのは服用から6カ月目までで、それ以降はほぼ効果が消えてしまうみたい。論文の表現では「効果は低いが確実に差は出ている」んだそうで。
ほかの論文(2,3,4)を見ても、だいたいマイルドに体脂肪が減ってまして、それなりのダイエット効果があるのは間違いなさそう。
脂肪が減るかわりに老化が進む
ただし、個人的には、共役リノール酸のサプリは、まったくオススメできません。
というのも、市販に出まわる共役リノール酸は、サンフラワーや紅花といった植物を使って作られてまして、オメガ6脂肪酸のかたまりなんですね。オメガ6脂肪酸の悪影響については、以下をご参照ください。
実際、植物系の共役リノール酸を飲むと、オメガ6のせいで肝臓にムダな脂肪がついたり(5,6)、全身に慢性炎症を起こすなんてデータ(7)も。
ただし、牛肉やバターなどにふくまれる共役リノール酸は、植物系とは少し構造がちがってまして、おかげで人体には悪影響が出ないことがわかっております(8,9)。基本的には素晴らしい成分なので、サプリなどに頼らず、できるだけ良い牛肉などから摂取したいところです。
まとめ
ここまでの話をまとめると、
確かに共役リノール酸にはダイエット効果があるが、市販のサプリは老化を進める可能性が高い
って感じです。動物由来のサプリなら問題ないんですが、あんま見かけたことがないので、やはり普通に牛肉や乳製品からとるのが無難でありましょう。
credit: HealthGauge via FindCC