嫌な気分から抜け出すコツは「感情に名前をつけてあげる」こと
「嫌な気分を解消するには自分の感情に名前をつよう!」と主張する論文(1)がおもしろいのでメモ。
気分がヘコむと自分の感情を区別できなくなる
これはミシガン大学の実験でして、被験者たちに「一定の期間だけ自分の感情をメモしてください」とお願いしたんですね。
すると、気分がヘコむレベルが大きい人ほど、自分のネガティブな感情を区別できなかったそうな。研究者いわく、
いま、自分が悲しいのか怒っているのかもわからなければ、人生を良くするのは難しい。
たとえば、車にガソリンメーターがついてなかったらどうだろう? いつガソリンスタンドに行けばいいのかわからなくなってしまうはずだ。
とのこと。つまり、気分が沈みがちな人は、悲しみや不安といった感情を区別せず、大ざっぱに「なんかイヤな感じ」といったふうにとらえてしまう傾向が強いんだ、と。その結果、ネガティブな感情に対処できなくなり、イヤな感覚だけがふくらんでいっちゃうわけですね。
これは非常にわかる話で、マインドフルネス瞑想の世界でも、自分の感情に名前をつけてみるってトレーニングがありますからねぇ。とにかく自分の内面を客観的に見て、思考から距離をとるのが大事ってことなんでしょう。
メンタルの強い人が使う7つのネガティブワード
再び研究者いわく、
この結果は、ネガティブな感情を明確にすることの大事さを示している。 自分の感情を、たんに「イヤだ」や「不快」の2つにわけるのは避けたほうがいい。
つねに明確に名前をつけよう! その気持ちは、怒り?恥?罪悪感?それとも、別の感情だろうか?そう考えてみるだけでも、ネガティブな心の悪影響を受けず、人生をより良くすることができる。
とのこと。まぁ、そうはいっても、いったんネガティブな気持ちにつかまると、「そんな余裕はないよ!」って状態になりがちなんで、あらかじめ感情のリストを用意しておくといい感じ。
上記の実験によれば、メンタルが強い人は、おもに以下の7つの言葉を使って、自分の感情を整理するケースが多かったそうな。
- 悲しみ
- 不安
- 怒り
- イライラ
- 恥
- 嫌悪
- 罪悪感
嫌な気分にとらわれたら、まずは自分の気持ちを上のリストに照らし合わせて、どの言葉に近いかを考えてみれるのも手かと思います。それでは皆さま、どうぞよしなに。
credit: Koshyk via FindCC