本当はみんな新しいアイデアなんて大嫌い
そもそも人間は新しいことが嫌い
3年ぐらい毎日ブログを更新してますと、「息をするように記事を書けるんでしょう?」などと言われることもあるわけです。
が、実際のところは、そんなスラスラと更新できた日は1日もありませんで。エディタを起動したまま何も書けずにダラダラすることなど日常茶飯事。毎日がライターズ・ブロックだったりします。どうにかなりませんかねぇ。
とか思ってたところ、「HELP!」で有名なオリバー・バークマンが、ナイスなコラム(1)を上げておりました。タイトルは「創造におびえてない?」で、要は「そもそも人間は新しいアイデアを怖がる性質を持ってるんだ!」って話です。
人間は創造性を嫌うように進化した
そこでバークマンが引用してる論文(2)が面白くて、ざっくり言うと「無意識の偏見を調べるテスト」を使って、創造性と恐怖心の関係を調べたんだそうな。そこでわかったのが、
- 多くの人は創造的なアイデアを嫌い、すでに効果が確認された実用的なものを好む
- 多くの人は、いかに新しいアイデアが正しくとも、なかなかそれを受け入れられない
- 創造的なアイデアは新しい。新しいゆえに必ず不確定の要素をはらむ。不確定の要素は人を不安にさせる
- たいていの人は、自分の中に「創造性を嫌うバイアス」が眠っていることに気づけない
- 創造性を嫌うバイアスのせいで、多くの人は目の前に本当に新しいアイデアが現れても気づけない
みたいな感じ。もともとヒトの心理には、新しいアイデアを嫌うメカニズムが備わってるんだ、と。古代の環境では、新しいことを試すよりも昔ながらの伝統に沿ったほうが生存の確率が高くなったため、自然と創造性を嫌うようなシステムが生き残ったらしい。
嫌な感情を受け入れていくしかない
研究者いわく、
現在、創造性に関する研究は「いかに新しいアイデアを生み出すか?」に集中している。しかし、私たちは視点を切り替えて、「いかに新しいアイデアを認識して、創造性を受け入れるか」を考えていく必要がある。
とのこと。新しいことが嫌いなのは人間の性質なので、その感情を克服するのではなくて、受け入れる方法を探すべきなんだってことですな。
バークマンのコラムでも、最終的には「恐怖を受け入れる」って方法を提案してまして、結局はそれしかないんだろうなーみたいな感じ。認知行動療法でおなじみな「脱フュージョン」の技法は、文章を書くときにも使えそうですね。
私のブログの場合は、そんな創造的なことはしてないんですが(論文を紹介してるだけなんで)、それでも何かを書くのは嫌なもんですからねぇ。とりあえず「息をするようにブログを書く」のはあきらめよう(笑)