国が定めた「推奨タンパク質量」が、実はまったく足りてなかった件
これまでの推奨タンパク質量は間違っていた?
定期的にプロテインの大事さを訴えている当ブログ。今度は、新たに「ゴメン!これまでの科学はプロテインの摂取量を低く見積もってたよ!」って論文(1)が出まして面白いことになっております。
従来の研究では、だいたい「1日に体重(kg)×0.8のタンパク質がベスト!」ってのが定説でして、各国の推奨量もこれぐらいになっております。厚労省の基準もほぼ同じぐらい。
もっとも、これはあくまで最低ラインなので、個人的には1日に「体重(kg) × 1.6〜2」ぐらいは摂ったほうがいいんじゃないかなーと思っておりました。これぐらい摂らないと筋肉が減っちゃいそうなんで。
従来のタンパク質推奨量はかなり少ない
が、これらの数値は、いずれも「窒素出納法」ってテクニックで計算されております。食事から取る窒素と体から出ていく窒素の量を比べる方法なんですが、以前から「必要なタンパク量が低く出ちゃうんじゃない?」とは言われてたんですよね。
そこで新たな論文では、「指標アミノ酸酸化」ってのを使ったんですな。ここ数年でメジャーになってきた方法で、最近では味の素のような企業も採用しているみたい(2)。
この方法を使って、あらためて本当に1日に必要なタンパク量の量を計算してみたところ、
- これまで世界中で推奨されてきたタンパク質量は、本当に必要なタンパク質量にくらべて30〜50%ぐらい少ない
- 現実的には、 良質なタンパク質を1日に体重1kgあたり1.5〜2.2 gは食べるべき
- これだけのタンパク量を満たすには、やっぱり植物系のタンパク源では役不足。動物の肉から摂るのがオススメ
みたいな結果だったんですね。窒素出納法の欠点は昔からよく聞いてたものの、正直ここまで誤差があったとは…。
まとめ
というわけで、これまで当ブログでは「ダイエッターや運動好きは体重(kg) × 1.6〜2ぐらいのタンパク質を摂ろう」と言ってきたんですが、今後は「どんな人でも体重1kgあたり1.5〜2.2 gのタンパク質を!」という方向に調整しようかと思います。
また、「筋肉の維持が最優先!筋肉大好き!」という方は、「ボディビル式食事法」で紹介した「筋肉1kgあたり2.3〜3.1gのタンパク質」ってラインを目指すのもいいかも(大変だけど)。どうぞよしなに。