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お菓子の誘惑に勝つには、事前に頭のなかでお菓子をむさぼり食っておく

Dessert

お菓子を食べる自分をリアルにイメージ

ダイエットしたきゃ事前に頭の中でお菓子をむさぼり食え!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これは約1,000人の男女を対象にした実験で、まずは全体を以下の半分にわけたんですね。

 

  1. 誰かがシリアルやチョコをむさぼり食ってる写真を見る
  2. 食事とは何の関係もない写真を見る(子供がビーチで遊んでるとことか)

 

その後、参加者はアイマスクをかけるように指示されまして、そのうえで「いま見た写真のなかに自分がいる様子をリアルにイメージしてください」とお願いしたんだそうな。シリアルを噛むときの音やチョコが口の中で溶ける感覚など、五感をフルに使って想像してもらったわけですね。

 

 

続けて、参加者たちの目の前に6種類のチョコレートケーキを用意。それぞれのケーキはサイズが違ってまして、好きなものを食べるように指示されたらしい。

 

 



お菓子が美味しくなったうえに食べる量も減る

そこでどんな違いが出たかと言いますと、

 

  • あらかじめお菓子を食べる想像をした人ほど小さなケーキを選んだ
  • 事前にお菓子と関係がない想像をした人は、ケーキから得られる満足感が低かった

 

みたいな感じ。前もって頭のなかでお菓子をガツガツ食べておくと、自然とケーキを食べる量が減ったうえに、お菓子から得られる満足度も高くなるというんですな。一挙両得ですねー。

 

 

事前のイメージでお菓子へのマインドセットが変わる

こういう現象が起きる理由はと言いますと、

 

前もって感覚のエクササイズをしておくと、心の中で食事という行為が目的ではなく手段に変わる。つまり、食欲を満足させるために食事を食べるのではなく、体験を得るための手段として食事をするようになるのだ。

 

とのこと。事前のイメージにより、マインドセットが変わるんだ、と。

 

 

体験を重視したほうがお菓子の消費量は減る

さらに、なんで「体験を得るための食事」でケーキの量が減るのかといえば、

 

  1. どんな食事でも、最高に美味しいのは最初の1口目である
  2. つまり、どんな食事でも2口目からは体験のレベルが下がる
  3. 自然と少ない量で満足するようになる

 

って理屈らしい。逆に「お腹いっぱいになるぞ!」って意識で食べると、リミットがもっと後に来るので、最終的な食事量が増えちゃうわけですな。

 

 

このあたりは「味わって食べれば痩せる!」という「マインドフルイーティング」の考え方とも少し重なる感じ。もちろん追試は必要ですけど、お菓子を食べるようなシチュエーションでは、前もって感覚エクササイズをしておくのも悪くなさそうですね。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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