子供を作ると本当に幸せになれるのか?問題
子供を作ると本当になれるのか?問題
結婚も6年めになると、親戚の家に行くたびに「子供はまだなの?」と聞かれたり、友人から「子供はいいぞー」とか言われるわけです。
が、個人的にはイマイチ子供を作る気にならず、その理由は自分でも不明。子供は好きなんですけどねぇ。
ってことで、たまに「子供を作ると本当に幸せになれるのか?」って疑問について検索をかけたりしてたんですが、いざ調べてみるとあらビックリ。ほとんどの研究は「子供を作っても幸福になれない!」って結論でして、なかには「逆に子供を作ると不幸に!」みたいな結論も少なくないもんですから。
たとえば有名なのは2003年の論文(1)で、子作りと人生の満足度の関係を調べたもの。過去に行われた97件のデータをまとめたメタ分析になってまして、科学的な信頼性はかなり高めになっております。
子供を作ると結婚の満足度は低くなる
そこでどんな結果が出たかというと、
- 子供がいる人は、子供がいない人にくらべて結婚の満足度が低い(d = −.19)
- 子供による満足の低下は、男性より女性のほうが大きい
- 子供の数が増えるほど結婚の満足度は下がる傾向があった
みたいな感じ。子供で幸福になるどころか、逆に満足度が下がる結果になっております。
もちろん、そこまでガツンと満足度が下がってるわけじゃないですし、一部には「子供で幸福度アップ!」みたいな論文(2)もあるものの、大半のデータは子作りに不利な結果がメイン。ほかにも「子育てはメンタルヘルスを損なう」(3)とか「子供で幸福度が下がる」(4)みたいな話もありまして、少なくとも「子供はいいぞー!」と手放しで言えるような状況じゃないですねぇ。
子供を作って満足度が下がる理由とは?
こういった現象が起きる理由には諸説ありますけども、
- 子供ができると家庭内での男女の役割が変わり、それがストレスになるから
- 子供のせいで自由が制限されるから
- 子供がいるので性生活に支障が出るから
- なんせ子育てには金がかかるから
みたいな説が提唱されておりました。どれも納得と言いますか。
ちなみに、統計ではこういう結果が出てるにも関わらず、なんで「子供はいいぞー」って意見のほうが優勢なのかというと、「明日の幸せを科学する」で有名なダニエル・ギルバート博士の意見(5)がおもしろかったです。
「自分を本当に幸せにしてくれるもの」について、多くの人間は間違った考え方に固執しがちだ。皮肉にも、この勘違いには進化的な必然性がある。子供を作っても本当は幸せになれないことに気づいてしまった種族を想像して欲しい。そんな種族は、間違いなく絶滅するだろう。人間の遺伝と文化は、タッグを組んで「本当に幸せをもたらすもの」を隠しているのだ。
本当は子供を作っても幸せになれないんだけど、それじゃあ種族が繁栄しないから、「子作りは幸せだ!」と勘違いできる遺伝子だけが生き残ったんだ、と。なかなかせちがらい説ですねー。
そんなわけで、今後は「子供を作ったほうがいいぞ」とか言われたら、「それは勘違いで進化論的には…」と答えるようにすると嫌われちゃうので、いままでと同じく笑顔でやり過ごすことにします(笑)